新規患者さんを経営者が全部担当しない理由|最初は失敗しても、長い目でスタッフを育てる

新規の患者さんを、誰が担当するか。

これは治療院や訪問マッサージの会社によって、結構考え方が違うと思います。

新規の患者さんは、必ず院長が担当する。

責任者や、一番経験のあるスタッフが担当する。

そういう会社もあります。

その考え方も、すごくよく分かります。

最初の対応は大切です。

患者さんからすると、最初に会った人の対応や説明によって、

「この会社に任せて大丈夫かな」

という印象がかなり変わるからです。

だから、最初を一番経験のある人に任せる。

これは一つの考え方として、全然間違っていないと思います。

ただ、私はそうしていません。

目次

経営者がずっと新規対応をしていたら、現場から離れられない

理由の一つは、経営者自身の仕事です。

もし自分がこれからもずっと施術者として現場に立ち続けたいのであれば、それでもいいと思います。

でも、経営者として会社を大きくしたい。

組織を作っていきたい。

そう考えているのであれば、私は少しずつ現場から離れていく必要があると思っています。

経営者がやるべきことは、施術だけではありません。

スタッフのマネジメント。

採用。

教育。

集客。

会社の方向性を考える。

仕組みを作る。

こういった仕事もあります。

にもかかわらず、

「新規だけは全部自分が行く」

という状態を続けていると、いつまでもそこから抜けられなくなります。

経営者がいなくても新規対応ができる状態を作ることも、組織作りの一つだと思っています。

新規対応には、普段の施術とは違う学びがある

もう一つの理由は、スタッフの成長です。

新規の患者さんを担当すると、普段の施術とは少し違う能力が必要になります。

まず、患者さんの体を見る力。

初めて触る体から情報を集めて、

「この人は今どういう状態なんだろう」

と考えなければいけません。

もちろん技術も必要です。

でも、それ以上に大切なのが説明です。

自分が感じたことを、患者さんにどう伝えるか。

専門用語を並べるのではなく、

「今こういう状態なので、私はこういう方向で施術した方がいいと思います」

ということを、相手に分かる言葉で説明する。

ここは、実際に新規の患者さんを担当しないとなかなか身につきません。

最初からうまくいくわけではない

もちろん、スタッフに任せ始めたら最初から全部うまくいったかというと、そんなことはありません。

新規の患者さんを担当しても、その後の継続につながらなかったことは普通にあります。

一時期、4件くらい続けてうまくいかなかったこともありました。

売上だけを見れば、

「自分が行っていたら契約になっていたんじゃないか」

と思うこともできると思います。

でも私は、そこで怒ることはほとんどありませんでした。

なぜなら、誰だって最初はうまくできないからです。

自分自身だって、最初から新規対応が上手だったわけではありません。

失敗しながら覚えてきたはずです。

だったら、スタッフにも同じ時間が必要だと思っています。

失敗すると、スタッフ自身が一番考える

面白いのは、こちらがあまり何も言わなくても、スタッフ自身が考え始めることです。

何件か続けて新規の方が継続につながらなかった。

すると、本人も、

「このままじゃまずいな」

と感じます。

「説明が分かりにくかったかな」

「もっと体を見られるようになった方がいいな」

「あの時、違う伝え方をした方がよかったかな」

そうやって自分で考えるようになります。

私は、この経験がすごく大きいと思っています。

人から「もっと勉強しなさい」と言われるより、自分で「もっと勉強しないと」と思った時の方が、人は動くと思うからです。

失敗を取り上げるより、考える機会にしてもらう

もちろん、何もフォローしないわけではありません。

どういう患者さんだったのか。

どんな説明をしたのか。

どこで相手の反応が変わったのか。

そういったことを一緒に振り返ることはあります。

ただ、

「結果が出なかったから、次から新規は自分が行く」

とはしません。

それをやってしまうと、スタッフはいつまで経っても新規対応ができるようにならないからです。

失敗した。

だから取り上げる。

ではなく、

失敗した。

だから次はどうするか一緒に考える。

私は、その方が長い目で見ると得るものが大きいと思っています。

1年経つと、安心して任せられるようになる

最初は不安です。

当然です。

説明もうまくない。

体を見る余裕もない。

患者さんから質問されて、答えに詰まることもある。

でも、何度も経験すると少しずつ変わってきます。

どんな順番で話せばいいのか。

どこまで説明すればいいのか。

患者さんが何を不安に感じているのか。

どういうところを確認すればいいのか。

そういうものが少しずつ分かってきます。

そして1年くらいすると、

「もう新規対応は全然任せられるな」

という状態になってきます。

これは経営者にとって、かなり大きいです。

自分が行かなくても、新規患者さんを安心して任せられる。

その分、自分は別の仕事ができます。

目の前の1件だけを見ると、自分が行った方が早い

経営をしていると、こういうことは多いと思います。

目の前の一件だけを見れば、自分がやった方が早い。

自分がやった方がうまい。

自分がやった方が失敗しない。

これはたぶん、その通りです。

でも、それをずっと続けていると、いつまでも自分しかできません。

スタッフに任せれば、最初は失敗します。

売上を逃すこともあるかもしれません。

でも、その経験を積ませることで、1年後には自分がいなくても回るようになる。

経営者が見るべきなのは、今日の一件だけではなく、1年後にどんな組織になっているかだと思っています。

スタッフの失敗を、本当に受け入れられるか

「スタッフに任せています」

という経営者は多いと思います。

でも、本当に任せるというのは、うまくいかなかった時まで受け入れることだと思っています。

結果が良かった時だけ、

「任せてよかった」

ではありません。

失敗した時に、

「だから俺がやればよかったんだ」

と言わない。

誰だって最初はできません。

自分自身もそうだったはずです。

そこを経営者が心から理解できるかどうか。

私はかなり大事だと思っています。

最初の失敗を許せると、経営者は少しずつ現場から離れられる

私は、スタッフを長い目で育てたいと思っています。

最初から100点を求めません。

新規対応で失敗することもある。

説明が足りないこともある。

患者さんとの関係をうまく作れないこともある。

でも、そのたびに考えて、少しずつ良くなっていけばいい。

その経験を取り上げずに続けてもらうことで、やがて自分がいなくても現場が回るようになります。

スタッフを育てるというのは、失敗しないように経営者が全部やってあげることではありません。

失敗しても大丈夫な環境を作って、経験を積ませることだと思っています。

もし今、経営者や責任者の方が新規患者さんをすべて担当しているのであれば、少しずつスタッフに任せてみるのも一つだと思います。

最初はうまくいかないかもしれません。

現状のキャッシュと相談の場合もあると思います。

でも、その失敗まで含めて育てることができれば、数年後の組織はかなり変わってくると思います。

ここまで読んで、
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