同じ言葉を使っていても、スタッフとは話がズレる|一人ひとりの「言葉の定義」を見る

スタッフと話していると、

「ちゃんと話したはずなのに、なんか伝わっていないな」

と感じることがあります。

同じ日本語を使っている。

お互いに意味も分かっている。

それなのに、微妙に認識がズレる。

私はこういう時、

その人が、その言葉をどう定義しているのか。

というところを見ることがあります。

同じ言葉を使っていても、その言葉に対して持っている意味は、一人ひとり違うからです。

目次

例えば「夢」という言葉

先日、新しく入ったスタッフとも、こんな話をしました。

例えば「夢」という言葉があります。

ある人は、

「夢は追い続けるもの」

と考えている。

別の人は、

「夢は叶えるもの」

と考えている。

同じ「夢」という言葉を使っています。

でも、よく考えると全然違いますよね。

「追い続けるもの」という定義の中には、ずっと追いかけている状態が含まれています。

一方で「叶えるもの」と考えている人なら、

「じゃあ、どうしたら叶うんだろう」

「次に何をすればいいんだろう」

と考えるかもしれません。

もちろん、「夢」という言葉をどう定義したかだけで、夢が叶うかどうかが決まるわけではありません。

ただ、

自分がその言葉をどう捉えているかによって、その後の考え方や行動が変わることはあると思っています。

スタッフ同士でも「普通」の意味は違う

これは「夢」だけではありません。

仕事の中でも、同じことはたくさんあります。

例えば、

「責任を持つ」

「成長する」

「患者さんを大切にする」

「自分で考える」

「頑張る」

「自信を持つ」

こういう言葉って、普通に使いますよね。

でも、一人ひとりに、

「それって具体的にどういうこと?」

と聞いてみると、おそらく答えは少しずつ違います。

例えば「責任を持つ」という言葉一つでも、

「言われたことを最後までやること」

と考える人もいれば、

「自分で考えて結果まで引き受けること」

と考える人もいるかもしれません。

どちらも「責任」という同じ言葉を使っています。

でも、頭の中にあるものは同じではありません。

共通言語があっても、共通認識とは限らない

会社では、共通言語を作ることが大切だと言われます。

私も大切だと思っています。

理念を共有する。

施術に対する考え方を共有する。

患者さんへの向き合い方を共有する。

ただ、同じ言葉を使えるようになっただけでは、まだ足りないことがあります。

共通言語があることと、共通認識になっていることは同じではない。

例えば会社として、

「患者さんを大切にしよう」

と言っていたとしても、

何をもって「大切にする」と考えているのか。

ここが違えば、実際の行動も変わります。

だから私は、言葉そのものだけではなく、その言葉の奥にある意味まで話すことが大切だと思っています。

今回の新人スタッフは、自己評価が低かった

今回この話をしたのにも理由があります。

新しく入ったスタッフと話している中で、私は、

「能力が低いわけではないのに、本人の自己評価はかなり低いな」

と感じていました。

本人自身も、

「どうしたらもう少し自信を持てるんだろう」

と考え始めてくれていました。

そこで私は、技術の話だけをするのではなく、

「自分が使っている言葉を、どう定義しているか見てみるのも一つかもしれないよ」

という話をしました。

そもそも「自信がある」って、どういう状態なのか

例えば本人が、

「もっと自信を持ちたい」

と言ったとします。

ここで私は、

「じゃあ自信をつけよう」

だけで終わらせないようにしています。

そもそもその人にとって、

「自信がある」って、どういう状態なんだろう。

何でも迷わずできることなのか。

失敗しないことなのか。

人から評価されることなのか。

自分で判断できることなのか。

失敗しても、もう一度やってみようと思えることなのか。

もし、

「絶対に失敗しない状態=自信がある」

と定義していたら、自信を持つのはかなり難しくなります。

仕事をしていれば失敗することはありますし、分からないことも出てきます。

でも、

「分からないことがあっても、自分なりに考えて行動できる」

「失敗しても、そこから学んで次に進める」

というものを自信の一つとして考えられるのであれば、見え方は少し変わるかもしれません。

自分を苦しくしているのは、能力そのものではなく、自分の中にある言葉の定義かもしれない。

私は、そういう可能性も一緒に考えます。

経営者が勝手に言葉を上書きするわけではない

ただし、ここで大切なのは、

「あなたの考え方は間違っているから、こう考えなさい」

と経営者が決めることではないと思っています。

その人が今まで生きてきた中で、その言葉の意味が作られているはずです。

だからまず、

「あなたにとって自信って何?」

「成長ってどういうこと?」

「仕事ができる人って、どんな人?」

と聞いてみる。

その人の中にあるものを、一緒に見ていく。

その上で、

「こういう見方もあるんじゃない?」

と別の選択肢を渡す。

私はそんな感じで話すことが多いです。

マネジメントは、仕事の指示を出すことだけではない

スタッフマネジメントというと、

目標を設定する。

数字を管理する。

仕事を振る。

評価する。

そういうことをイメージするかもしれません。

もちろん、それも必要です。

でも私は、一人ひとりと話しながら、

「この人は今、何をどう捉えているんだろう」

というところも見るようにしています。

同じ言葉を使っているからといって、同じものを見ているとは限らない。

むしろ、認識がズレている時ほど、言葉そのものは同じだったりします。

だから、

言葉の表面ではなく、その人がその言葉にどんな意味を持たせているのかを見る。

それも、スタッフ一人ひとりと向き合うマネジメントの一つだと思っています。

相手を変える前に、相手の見ている世界を知る

スタッフにもっと自信を持ってほしい。

もっと主体的に動いてほしい。

もっと責任を持ってほしい。

経営者として、そう思うことはあります。

でも、その前に、

その人にとって「自信」とは何なのか。

「主体性」とは何なのか。

「責任」とは何なのか。

そこを知らないまま、

「もっと自信を持って」

「もっと主体的に」

と伝えても、こちらが思っている意味では届かないことがあります。

相手を変えようとする前に、まず相手がどういう意味でその言葉を使っているのかを知る。

今回、新しく入ったスタッフと話しながら、改めて大切だなと思ったマネジメントの一つです。

ここまで読んで、
何か引っかかるところがあった方へ。

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