「スタッフを大切にする」とは具体的に何をすることなのか

求人を見ていると、

「スタッフを大切にしています」

という言葉をよく見かけます。

私自身も、スタッフは大切にしたいと思っています。

でも、改めて考えてみると、

「スタッフを大切にするって、具体的に何をすることなんだろう」

という話になりますよね。

給料を上げることなのか。

福利厚生を充実させることなのか。

休みを増やすことなのか。

もちろん、そういうことも関係していると思います。

でも私は、もっと単純なところから始まると思っています。

嘘をつかないことです。

目次

求人で言っていたことと、入社後が違う

例えば求人に、

「残業はほとんどありません」

と書いてあった。

ところが入社してみたら、毎日のように残業がある。

「この勤務時間です」

と聞いて入社したのに、実際には全然違う。

「休みはこうなっています」

と説明されたのに、実際には休めない。

これでは、どれだけ会社が、

「スタッフを大切にしています」

と言っても、説得力がないですよね。

スタッフを大切にするなら、まず約束したことを守る。

私はここが一番分かりやすいと思っています。

「大切な人だったらどうするか」で考えてみる

私はこういう話を考える時、難しい経営理論よりも、もっと単純に考えることがあります。

自分にとって大切な人だったら、どう接するだろう。

好きな人でもいいです。

家族でもいい。

親しい友人でもいいと思います。

その人に対して、平気で嘘をつくだろうか。

約束したことを何度も破るだろうか。

挨拶もしないだろうか。

待ち合わせの時間を毎回守らないだろうか。

困っている時に、自分の都合だけを優先するだろうか。

おそらく、本当に大切な人にはそんなことはしないと思います。

もちろん、スタッフにプレゼントを渡しましょうとか、何でも言うことを聞きましょうという話ではありません。

一人の人間として大切に接する。

それだけの話なんですよね。

人として当たり前のことを、会社でもやる

嘘をつかない。

約束を守る。

挨拶をする。

時間を守る。

話を聞く。

間違えたら認める。

人として考えれば、どれも当たり前のことです。

でも経営者とスタッフという関係になった途端に、これが崩れることがあります。

経営者だから多少時間を守らなくてもいい。

会社の都合だから、以前説明した条件を変えても仕方ない。

忙しいからスタッフへの説明は後回し。

売上が必要だから今回は我慢してもらおう。

そういう小さなことが積み重なっていく。

私は、スタッフを大切にするというのは、何か特別なことをする以前に、

人として当たり前のことを、経営者になっても当たり前に続けることなんじゃないかと思っています。

「勤務時間を守る」こともスタッフを大切にすること

例えば勤務時間。

9時から18時までという約束で働いてもらっているのであれば、基本的にはその中で仕事が終わるように会社側も考える。

毎日のように仕事が終わらないのであれば、

「みんな頑張ってくれているから」

で済ませるのではなく、仕事量や人員配置、仕組みそのものを考える。

スタッフの時間も、その人の人生の一部です。

会社が自由に使っていい時間ではありません。

そう考えると、勤務時間を守ることも、スタッフを大切にすることの一つだと思います。

頑張った人を、ちゃんと評価できる仕組みにする

もう一つは評価です。

頑張っているスタッフがいる。

患者さんのために考えている。

技術を勉強している。

周りのスタッフを助けている。

会社のために動いてくれている。

そういう人がいた時に、

「ありがとう」

だけで終わらせるのか。

それとも、その頑張りをきちんと評価できる仕組みを作るのか。

ここにも会社の考え方は出ると思います。

もちろん、すべての頑張りをすぐ給与に反映できるわけではありません。

会社にもできることと、できないことがあります。

それでも、

頑張っている人をちゃんと見ようとしているのか。

そして、それをどう会社の中で返していくのか。

経営者として考え続けることは必要だと思っています。

事故が起きた時のことまで考えておく

もっと細かいところで言えば、保険もそうです。

私たちの仕事では、訪問のために自転車やバイクを使います。

だったら、事故が起きる可能性も考えなければいけません。

事故なんて起きないだろう。

本人が気をつければいい。

ではなく、必要な保険に加入しておく。

万が一の時にどう対応するのかを考えておく。

これはスタッフを守る意味もありますし、会社を守る意味もあります。

でも、こういう細かいところも含めて、

「何かあった時にどうするか」

を会社が考えているかどうかは大切だと思います。

スタッフを大切にするというのは、案外こういう些細なところの積み重ねなのかもしれません。

インフルエンザでも「出てきて」は、何を大切にしているのか

例えばスタッフがインフルエンザになったとします。

当然、休めばその日の売上は下がるかもしれません。

他のスタッフへの調整も必要になります。

患者さんにも予定変更をお願いしなければいけないかもしれません。

経営者としては大変です。

でも、そこで売上を優先して、体調を崩しているスタッフに無理をさせる。

これは私は違うと思っています。

本人の体調だけではありません。

患者さんや他のスタッフへの感染も考えなければいけません。

目の前の一日の売上を守るために、もっと大切なものを失う可能性があります。

こういう時の経営者の判断に、その会社が本当に何を大切にしているのかが出ると思います。

その対応を見ているのは、本人だけではない

そして、ここは結構大切だと思っています。

例えば一人のスタッフが体調を崩した。

その時、経営者がどう対応したのか。

見ているのは、そのスタッフ本人だけではありません。

周りのスタッフも見ています。

もし体調を崩した人に無理をさせていたら、他のスタッフは、

「自分が同じ状態になった時も、休ませてもらえないのかな」

と思うかもしれません。

反対に、

「今日は休んで。こっちは何とかするから」

と会社が対応していれば、

「何かあった時には守ってくれる会社なんだ」

と感じるかもしれません。

経営者が一人のスタッフにしたことは、他のスタッフにも伝わっています。

信頼は、大きな制度より小さな判断で作られる

スタッフからの信頼って、一回の大きな出来事で作られるものではないと思っています。

毎日の小さなことです。

約束を守った。

時間を守った。

話を聞いた。

困っている時に対応した。

頑張っているところを見ていた。

間違えた時には経営者側も謝った。

そういうことの積み重ねで、

「この人は信用できる」

「この会社なら安心して働ける」

となっていくんだと思います。

逆も同じです。

一つひとつは小さなことでも、約束を破ることが続けば、少しずつ疑心暗鬼になります。

一度そうなってしまうと、会社が何を言っても、

「本当に?」

と思われるようになってしまいます。

「スタッフを大切にする」に特別な方法はいらない

スタッフを大切にするためには、何かすごい福利厚生を作らなければいけない。

高い給与を払わなければいけない。

豪華な社員旅行をしなければいけない。

私は、そういうことだけではないと思っています。

もちろん、給与を上げられるなら上げたいですし、働く環境も良くしていきたい。

でも、その前にできることがあります。

嘘をつかない。

約束を守る。

時間を守る。

頑張っている人を見る。

困った時に守る。

間違えたら謝る。

そして、スタッフにも一人ひとり生活があって、家族があって、会社以外の人生があることを忘れない。

自分にとって大切な人にしないことは、スタッフにもしない。

ものすごく単純ですが、私はまずそこなんじゃないかと思っています。

経営者は、いつも見られている

経営者になると、自分が思っている以上にスタッフから見られています。

何を言ったか。

ということ以上に、

何をしたか。

誰かが困った時にどうしたか。

売上が厳しい時にどう判断したか。

自分に都合が悪い時にも約束を守ったか。

そういうところを見られています。

だから、

「うちはスタッフを大切にしています」

と何度伝えるかよりも、

「スタッフを大切にしている会社なら、この場面でどうするだろう」

と日々考えて行動する。

結局、それしかないのかなと思っています。

理念や価値観は、言葉だけではなく日々の行動に滲み出ます。

そしてスタッフは、それをちゃんと見ている。

だから私自身も、言っていることとやっていることがズレないように、これからも気をつけていきたいと思っています。

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