小さな会社で求人をしていると、どうしても大手企業が気になります。
給与を見る。
福利厚生を見る。
休日を見る。
待遇を見る。
すると、
「これは勝てないな」
と思うことがあります。
実際、資金力では大手企業の方が強いことが多いです。
福利厚生も充実している。
知名度もある。
給与だって、小さな会社では簡単に真似できないことがあります。
では、小さな会社はどうやって求人を作ればいいのか。
私はこれまで、経営者の会や交流会などで、求人がうまくいっている経営者に何度も質問してきました。
そこで感じたことがあります。
小さな会社は、大手と同じ土俵で勝負しない方がいい。
ということです。
求人がうまくいっている経営者に聞いてきた
私は採用について、かなりいろいろな経営者に聞いてきました。
「どうやって求人していますか?」
「何を求人に書いていますか?」
「なぜ応募してくれるんですか?」
そんなことを聞いてきました。
もちろん会社によってやり方は違います。
ただ、私が話を聞いてきた中で、求人がうまくいっている小さな会社には一つの傾向がありました。
それは、
給与や福利厚生だけを前面に出して勝負していないことです。
むしろ色濃く出しているのは、会社の理念だったり、経営者自身の考え方だったりします。
「自分はこんな世界を作りたい」がはっきりしている
例えば、
「この仕事を通して、こういう世界を作りたい」
「お客様に対して、こういう存在でありたい」
「商品を売って終わりではなく、生涯のパートナーとして関わりたい」
そんなことが、かなり具体的に書かれています。
そして面白いのが、そういう文章って、あまりきれいすぎないんですよね。
経営者自身の経験が入っている。
失敗した話が入っている。
なぜこの仕事をしているのかが書いてある。
何に腹が立って、何を変えたいと思ったのか。
どんな会社を作りたいのか。
そういうものが文章から見えてきます。
誰にでも書ける理念ではなく、その人だから出てくる言葉になっている。
私は、ここがすごく大切なんじゃないかと思っています。
AIできれいな文章を作るだけでは足りない
今はAIを使えば、求人文章そのものは簡単に作れます。
「求職者に響く理念を書いてください」
と入力すれば、それらしい文章はいくらでも出てきます。
私自身もAIを使います。
でも、元になる考えまでAIに作ってもらったら、たぶん弱いと思うんですよね。
なぜこの会社をやっているのか。
何を大切にしているのか。
患者さんやお客様にどうなってほしいのか。
スタッフとどんな会社を作りたいのか。
そこは経営者自身の中から出てくるものだと思います。
AIに文章を整えてもらうことはできても、経営者自身が持っている熱までゼロから作ってもらうことはできない。
だからこそ、小さな会社はそこを出した方がいいと思っています。
大手の求人を真似しても、大手には勝ちにくい
求人を作る時、大手企業の求人を見ることもあると思います。
給与。
年間休日。
福利厚生。
研修制度。
各種手当。
キャリア制度。
非常に充実しています。
そこで、
「この会社がこう書いているから、うちも同じように書こう」
と考えたくなります。
でも、それだけでは厳しいと思っています。
同じような求人になったら、求職者からすると比較するものは数字になります。
月給はいくらか。
年間休日は何日か。
賞与はいくらか。
住宅手当はあるか。
会社の安定性はどうか。
そうなれば、資金力や規模のある会社が強い。
大手と同じ書き方をするということは、大手が強いルールで勝負するということでもあります。
だから、同じ土俵に乗らない
もちろん、給与や休日をどうでもいいと言っているわけではありません。
働く人にとって、とても大切です。
生活がありますから、条件面で一定の納得感がなければ、理念だけで働き続けるのは難しいと思います。
小さな会社だから待遇が悪くていい、という話でもありません。
会社として改善できる条件は、できるだけ改善していく。
その努力は必要です。
ただ、
条件だけを「選ばれる理由」にしない。
ここが大切だと思っています。
大手より給与が高い。
大手より福利厚生が多い。
そこで勝負するのではなく、違う角度から会社を見てもらう。
小さな会社だからこそ、経営者自身を出せる
これは逆に、小さな会社の強みでもあると思います。
会社の規模が小さいから、経営者がどんな人なのかが仕事に直結します。
何を大切にしているのか。
スタッフをどう考えているのか。
患者さんやお客様をどう考えているのか。
失敗した時にどう対応するのか。
スタッフをどんなふうに育てたいのか。
5年後、10年後にどんな会社にしたいのか。
大きな会社以上に、経営者の考え方が職場に反映されやすい。
だったら、そこを隠す必要はないと思っています。
「この会社で働く」というより、「この人たちと一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるか。
小さな会社の採用では、そこが一つの強みになると思います。
理念に共感して入ってくれた人は強い
私がこれまで話を聞いてきた中でも、
「会社の理念に共感しました」
「社長の考え方に共感しました」
という理由で入社している会社があります。
私は、そういう組織は強いなと思います。
なぜなら、仕事をしていれば必ず大変なことも出てくるからです。
毎日楽しいことだけではありません。
患者さんやお客様への対応で悩むこともある。
失敗することもある。
会社の状況が厳しい時もあるかもしれない。
そんな時に、
「そもそも自分たちは何のためにこの仕事をしているのか」
というところを共有できていることは大きいと思います。
もちろん、理念に共感していれば何でも乗り越えられるという単純な話ではありません。
でも、給与条件だけでつながっているのとは違う関係を作ることはできると思っています。
だから私自身も、求人を何度も作り直している
偉そうに書いていますが、私自身もまだ試行錯誤しています。
求人を作って、直して。
応募してくれた人に話を聞いて。
入社してくれたスタッフにも、
「求人のどこが良かった?」
「実際に働いてみてズレはなかった?」
と聞く。
そして、また文章を直す。
今もその繰り返しです。
最近も、新しく入ってくれたスタッフとの技術研修で、
「ここまで考えてやるんですね」
と言われました。
そこで初めて、
「うちは施術の考え方や技術教育を大切にしているのに、それが求人で十分伝わっていなかったんだな」
と気づきました。
理念も同じです。
会社の中では当たり前すぎて、外に伝えられていないことがあります。
だから今も、自分たちが何を大切にしている会社なのかを言葉にし続けています。
小さな会社は「違う角度」から刺した方がいい
給与で大手に勝てない。
福利厚生でも勝てない。
知名度でも勝てない。
だったら、同じ土俵に乗らなければいい。
自分たちは何を大切にしているのか。
なぜこの仕事をしているのか。
どんな患者さんやお客様に貢献したいのか。
どんな組織を作りたいのか。
どんな人と一緒に働きたいのか。
そして経営者自身は、なぜそう考えるようになったのか。
条件表では伝わらない会社の中身を、徹底的に言葉にする。
そこに共感してくれる人に見つけてもらう。
私は、小さな会社の求人では、その方がいいと思っています。
「大手より良く見せる」のではなく「大手とは違う理由で選ばれる」
小さな会社が、大手企業のように見せる必要はありません。
むしろ、それをやればやるほど比較されます。
そして比較される軸が、給与や福利厚生だけになれば苦しくなる。
だから私は、
「大手より良く見せる」のではなく、「大手とは違う理由で選んでもらう」
という考え方を大切にしています。
そのためには、きれいな求人文章を作るだけでは足りません。
経営者自身が、
「自分は何のためにこの会社をやっているんだろう」
「何だけは絶対に大切にしたいんだろう」
というところまで考える必要があります。
そこから出てきた言葉は、他社には真似できません。
給与表だけでは伝えられない会社の魅力は、そこにあるんじゃないか。
私自身も、今まさに試行錯誤しながら求人を作っています。

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