求人を出していると、どうしても気になる数字があります。
応募数です。
何人応募が来たのか。
先月より増えたのか。
広告を変えたら応募が増えたのか。
もちろん、応募がまったくなければ採用はできません。
だから応募数を見ること自体は必要だと思います。
ただ、私は今、
「応募数をできるだけ増やそう」
という考えでは求人を作っていません。
むしろ、応募数を増やすために会社を良く見せすぎないようにしています。
極端に言えば、一人応募して一人採用できればいい
これはかなり極端な話ですが、
一人募集している会社に、一人応募してくれた。
話してみたら、お互いに、
「ここで働きたい」
「この人と働きたい」
となった。
そして、そのまま採用になった。
採用だけを考えれば、ものすごく効率がいいですよね。
100人から応募が来ても、結局一人しか採用しないのであれば、残りの99人とはどこかでお断りすることになります。
もちろん、実際には一人だけでは比較もできませんし、その一人と必ず合うとも限りません。
だから現実的に「一人応募、一人採用」を目指しているわけではありません。
ただ、考え方としては、
応募数そのものが多いことと、採用がうまくいっていることは同じではない。
と思っています。
求人を良く見せようとすると、似た求人になっていく
求人サイトを見ていると、似たような言葉をよく見かけます。
働きやすい職場です。
アットホームな職場です。
スタッフ同士の仲が良いです。
研修制度が充実しています。
ワークライフバランスを大切にしています。
もちろん、本当にそういう会社もたくさんあると思います。
問題は、会社を良く見せようとすればするほど、表現が似てしまうことです。
悪いことを書きたくない。
なるべく多くの人に興味を持ってほしい。
誰が読んでも嫌な気持ちにならない求人にしたい。
そう考えて削っていくと、最後には、
「どこかで見たことのある求人」
になってしまうことがあります。
違いが分からなければ、条件で比較される
会社ごとの違いが求人から分からなければ、求職者は何で比較するでしょうか。
当然、分かりやすいものになります。
給与。
休日。
勤務時間。
福利厚生。
通勤距離。
こういった条件です。
もちろん、条件はとても大切です。
私自身も、働く人の条件を良くしていきたいと思っています。
ただ、条件だけの勝負になったら、小さな会社が大手企業に勝つのは簡単ではありません。
資金力も違います。
福利厚生にかけられるお金も違います。
会社としての知名度も違います。
だったら、小さな会社は別のところもきちんと見せなければいけないと思っています。
「この会社は何を大切にしていて、他の会社と何が違うのか」
という部分です。
私は求人を「尖らせる」ことに抵抗がない
マーケティングでは、よく「ペルソナ」という言葉を使います。
誰に届けたいのかを具体的に考えるということです。
私は求人でも、この考え方は必要だと思っています。
全員に、
「いい会社ですね」
と思ってもらう必要はない。
むしろ、うちが大切にしていることを濃く出した結果、
「自分にはちょっと違うかな」
と思う人がいてもいいと思っています。
逆に、
「こういう会社を探していた」
と思ってくれる人がいる。
私はそちらの方が大切です。
求人を尖らせるというのは、強い言葉で求職者をふるいにかけることではありません。
自分たちの会社の実態を、ぼかさずに伝えることだと思っています。
以前、きれいな言葉を並べすぎて失敗した
これは私自身、失敗した経験があります。
なるべく良く見えるように求人を作っていた時期がありました。
もちろん嘘を書いていたわけではありません。
でも今振り返ると、きれいな部分ばかりを並べていたと思います。
すると、応募は来る。
でも実際に話してみると、
「あれ、うちとは全然合わなそうだな」
ということがありました。
そこで初めて、
「求人の段階で、うちのことをちゃんと伝えられていなかったんだな」
と気づきました。
求職者が悪いわけではありません。
こちらが見せた求人を見て、
「自分に合いそうだ」
と思って応募してくれただけです。
だったら、伝え方を見直すべきなのは会社側だと思いました。
合わない人との面談を増やしても、お互いに得をしない
小さな会社では、採用活動にも経営者自身が関わることが多いと思います。
私もそうです。
応募があれば、一度お話しします。
会社のことも説明します。
相手の話も聞きます。
それなりに時間を使います。
だから、応募が10人来たとしても、その10人の多くが明らかに会社と合わないのであれば、
「応募が10人も来た!」
と単純には喜べません。
求職者にとっても同じです。
時間を使って応募して、話を聞いて、
「思っていた会社と全然違った」
となれば、お互いに時間を使っただけになってしまいます。
応募前に分かることは、応募前に伝えておいた方がお互いにいい。
私はそう思っています。
私が見ているのは「応募数」より「何人採用できたか」
だから私は、応募数だけを見て採用活動を評価しないようにしています。
それよりも気にしているのが、
応募してくれた人の中から、実際にどのくらい採用につながったのか。
という割合です。
例えば10人応募が来て、一人採用できた。
一方で、3人応募が来て、一人採用できた。
同じ一人採用でも、私は後者の方に興味があります。
なぜ3人の中から一人採用できたのか。
求人の段階で、会社の考え方や働き方がある程度伝わっていたのではないか。
そんなふうに考えます。
今の私の感覚では「3人に1人」くらいがちょうどいい
これはあくまで今の私の会社での感覚です。
採用率33%が正解だという話ではありません。
職種や会社規模、採用方法によって全然違うと思います。
ただ、今の私は、
応募してくれた3人のうち一人くらいと「一緒に働きたい」とお互いに思える状態
が一つの目安なのかなと考えています。
一人応募が来て、その一人を必ず採用する。
そこまで行ってしまうと、こちらにも相手にも判断する余地が少なすぎます。
一方で、10人、20人と面談しなければ一人も採用できないのであれば、求人の伝え方に何かズレがあるのかもしれません。
だから今の自分にとっては、3人に一人くらいが肌感覚としてちょうどいい。
これは今後採用を続けながら、また変わっていくかもしれません。
採用率が高ければ、それだけで成功でもない
ただ、ここでも数字だけを追いかけないようにはしています。
採用率を高くするだけなら、応募してくれた人をどんどん採用すれば上がります。
それでは意味がありません。
大切なのは、入社した後です。
実際に働いてみて、
「求人で見ていた会社と同じだった」
と思ってもらえるのか。
会社側も、
「この人と一緒に働けて良かった」
と思えるのか。
そして長く一緒に働けるのか。
そこまで見なければ、本当の意味で採用がうまくいったかどうかは分からないと思っています。
応募数より「ズレの少なさ」を見たい
求人広告を出していると、どうしても数字が気になります。
表示回数。
クリック数。
応募数。
もちろん私も見ます。
でも最終的に欲しいのは、応募数ではありません。
一緒に働きたいと思える人と出会うことです。
だったら求人でやるべきことは、必要以上に会社を良く見せることではない。
会社が大切にしていること。
働き方。
技術への考え方。
教育。
良いところ。
そして、人によっては合わないかもしれないところ。
それらをできるだけ正直に伝える。
その上で、
「ここなら合いそうだな」
と思った人に応募してもらう。
私は、そちらを目指しています。
求人は、たくさん集めるためではなく、出会うために作る
応募数が多ければ、採用活動が成功しているように見えます。
でも、小さな会社では特に、数だけを追いかける必要はないと思っています。
10人に応募してもらうことより、
会社のことを理解した3人に応募してもらう。
その中で、一人と、
「一緒に働きたいですね」
とお互いに思える。
今の私は、その方がいいです。
求人は、会社を一番きれいに見せる場所ではなく、会社を一番正直に見せる場所。
その方が応募数は減るかもしれません。
でも、応募してくれた人とのズレは減らせるかもしれない。
そして私は今、応募数よりも、その「ズレの少なさ」の方を大切にしています。

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