患者さんとの雑談は何のためにするのか|自然体でいられる関係を作る

施術中、患者さんと雑談をすることがあります。

家族の話だったり。

仕事の話だったり。

趣味の話だったり。

本当にどうでもいい話で笑っていることもあります。

でも私は、この時間を結構大切にしています。

別に、会話で施術時間を埋めたいわけではありません。

私が大切にしているのは、

「この人の前では、自然体でいて大丈夫」

と思ってもらえることです。

目次

施術を受けていても、ずっと気を使っている人はいる

最初から自然体でいられる方も、もちろんいます。

でも、そうではない方もいます。

緊張というほどではなくても、少し気を張っている。

こちらに気を使っている。

何を話そうか考えている。

普段から周囲に気を使うことが多い方なら、施術を受けている時でも、そのスイッチがなかなか切れないことがあります。

体はベッドに横になっている。

でも、頭の中ではいろいろなことを考えている。

そんなこともあると思います。

私は施術を受けている時間くらい、できるだけそういうものから離れてほしいと思っています。

体だけではなく、頭の中まで力を抜いてほしい

施術を受ける時に、

「ちゃんとしていなきゃ」

「変なことを言わない方がいいかな」

「先生にこんなことを言ったらどう思われるかな」

そんなことを考え続けていたら、なかなか休まらないですよね。

だから私は、患者さんに対して、なるべく

「どんな人でも受け入れる」

という気持ちで接するようにしています。

これは結構大事だと思っています。

普段きっちりしている人が、急に冗談を言うこともある

例えば、普段はものすごくきっちりされている方がいるとします。

話し方も丁寧で、見た目もしっかりしている。

そんな方が、ある日突然くだらない冗談を言ってくる。

その時に、

「えっ、そんなこと言う人なんですか?」

という反応をしてしまったら、相手は少し恥ずかしくなるかもしれません。

私は、

「あ、この人にはこういう一面もあるんだな」

くらいに思います。

場合によっては、こちらも冗談をかぶせます。

別に冗談を言うこと自体が大切なのではありません。

こちらが勝手に作った「この人はこういう人」という枠に、患者さんを閉じ込めないこと。

私はそちらの方が大切だと思っています。

「この人には何を言っても大丈夫」と思ってもらえるか

施術を続けていると、最初の頃には話さなかったことを話してくれる患者さんもいます。

家族のこと。

仕事のこと。

人間関係のこと。

くだらない話。

ちょっと人には言いにくい話。

それは、少しずつ

「この人なら話しても大丈夫かな」

と思ってもらえているからかもしれません。

私は、患者さんに何でも話してもらうことを目的にしているわけではありません。

話したくなければ、もちろん話さなくていい。

静かに施術を受けたい方なら、それもその人の自然体です。

大切なのは、こちらが無理に会話を作ることではなく、

その人がその人のままでいられる空気を作ること。

私はそう考えています。

雑談が上手なことより、受け止められること

だから、私は施術者に必要なのは「話が上手なこと」だけではないと思っています。

面白い話をする必要もありません。

話題をたくさん持っている必要もありません。

それよりも、相手が何か話した時に、

「そんなこと言うんですね」

「意外ですね」

と評価するのではなく、まずそのまま受け止める。

その人のいろいろな一面を知っても、こちらの態度を変えない。

その積み重ねの方が、私は大切だと思っています。

そして、話してもらったことを外に出さない

ここはものすごく大切です。

信頼して話してもらったことを、外で話さない。

当たり前のことですが、本当に大切です。

特に有名人や著名人の方を担当する機会があると、周りの人に言いたくなる気持ちが出ることもあると思います。

ぶっちゃけると、私だって人間なので、言いたくなることはあります(笑)。

でも、そこは絶対に分けないといけません。

施術の中で知ったことを、

「実はあの人、こんなこと言ってたよ」

と外で話す。

これは信頼関係を壊す行為です。

「社内だから大丈夫」でもない

そして、これは社外だけの話ではありません。

私は社内でも、必要のない情報はむやみに共有しない方がいいと思っています。

もちろん、施術や安全な対応、引き継ぎなどのためにスタッフ間で共有する必要がある情報はあります。

そこはチームとして必要です。

でも、業務上必要のないプライベートな話まで、

「ちょっと聞いてよ」

とスタッフに話す必要はありません。

一人に話せば、そこからさらに広がってしまう可能性もあります。

「知っていること」と「話していいこと」は別です。

患者さんがこちらを信頼して話してくれたのであれば、その情報をどう扱うかまで含めて施術者の仕事だと思っています。

信頼関係は、施術室の中だけでは作れない

患者さんに自然体でいてもらいたい。

そのためには、

「この人には何を言っても変に思われない」

「話したことが外に漏れることもない」

そう思ってもらえることが大切だと思います。

こちらが受け入れる。

勝手に評価しない。

無理に話させない。

そして、話してもらったことを大切に扱う。

そういうものが少しずつ積み重なって、信頼関係になっていくのだと思います。

患者さんとの雑談は、一見すると施術とは関係のない時間に見えるかもしれません。

でも私は、そういう何気ない時間の中にも、施術者として大切なものがたくさんあると思っています。

患者さんにリラックスしてもらうために必要なのは、話術よりも「この人の前なら自然体でいて大丈夫」と思ってもらえる自分でいること。

私は、そこを大切にしています。

ここまで読んで、
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