主体性のあるスタッフをどう評価するか|評価制度の2項目をあえて空白にしている理由

スタッフにもっと主体的に動いてほしい。

そう考えている経営者は多いと思います。

ただ、実際に主体性を評価しようとすると、意外と難しいんですよね。

自分から行動したら主体性があるのか。

新しい仕事に挑戦したら主体性があるのか。

それとも、経営者に言われる前に仕事を進められたら主体性があるのか。

人によって考え方も違うと思います。

私自身、主体性というものを一つの基準だけで評価するのは難しいと感じています。

そこで弊社では、評価制度の一部をスタッフ自身に決めてもらう形にしています。

具体的には、25項目のうち2項目をあえて空白にしています。

今回は、その仕組みについて書いてみます。

目次

1段階目は25項目、すべて会社側で決めている

弊社の評価制度は、まず2段階に分かれています。

1段階目は25項目です。

この25項目については、すべて私が内容を決めています。

なぜかというと、最初の段階では、会社として身につけてほしいことがあるからです。

会社の考え方を理解する。

必要な技術や知識を身につける。

仕事の進め方を覚える。

報告・連絡・相談を行う。

こういった会社として必要な基準については、まず共通のものを用意しておく必要があると思っています。

もちろん、スタッフによって経験や得意分野は違います。

それでも、会社として最低限ここまではできるようになってほしい、という部分はあります。

だから1段階目については、会社側で評価項目を決めています。

2段階目は、25項目のうち2項目を空白にする

一方で、2段階目は少し違います。

25項目のうち、23項目は私が決めています。

でも、残りの2項目は空白にしています。

そこには、スタッフ自身に目標を考えてもらうんです。

「これから自分は、どういうことに力を入れていきたいのか」

「どんなことができるようになりたいのか」

「会社の中で、どんな役割を担っていきたいのか」

そういうことを考えてもらいます。

そして、その内容を私とスタッフで話し合いながら、評価項目として決めていきます。

会社が決める23項目と、本人が考える2項目。

この組み合わせにしているのには理由があります。

主体性は、人によって向かう方向が違う

そもそも私は、主体性というものは、人によって向かう方向が違うと思っています。

営業が好きな人もいます。

施術技術をもっと高めたい人もいます。

スタッフの教育やマネジメントに興味がある人もいます。

組織全体を見ながら、周りを支えることが得意な人もいます。

これって、どれが正解という話ではありませんよね。

例えば、営業に興味があるスタッフに対して、

「これからはマネジメントを頑張ってね」

と会社が一方的に決めたらどうでしょうか。

もちろん、必要な役割としてお願いすることはあると思います。

でも、それを本人の主体性として評価するのは、少し違う気がするんです。

自分でやりたいと思ったことに、自分で考えて取り組む。

私は、そこも主体性の大切な部分だと思っています。

営業を頑張りたいスタッフなら、営業を評価項目にする

例えば、訪問マッサージの仕事で、

「自分はもっと営業ができるようになりたい」

「新しい患者さんを増やすことに貢献したい」

というスタッフがいたとします。

だったら、その方向で目標を考えればいいと思っています。

どんな営業活動に取り組むのか。

どの程度の成果を目指すのか。

いつまでに達成したいのか。

そういうところを一緒に決めます。

会社としても、新しい患者さんとのつながりが増えるのはありがたいことです。

本人がやりたいことと、会社にとって必要なことが重なるのであれば、そこを評価制度に組み込めばいい。

私はそう考えています。

マネジメントをやりたいスタッフなら、その方向で考える

一方で、

「自分はスタッフの教育やマネジメントをやってみたい」

という人もいるかもしれません。

その場合は、マネジメントに関係する目標を考えます。

例えば、弊社では施術技術の評価を私自身が行っています。

ですので、技術教育に関わりたいスタッフがいれば、

「何か月後までに、この水準まで技術を身につけてもらえるようにする」

という目標も考えられます。

ただ単に、

「後輩を育てる」

という曖昧な目標ではなく、期限や到達水準も一緒に決める。

そうすれば、本人も何を目指せばいいのか分かりやすくなります。

もちろん、教える側だけではコントロールできない部分もあります。

だから、教育の進め方や本人が取り組んだことも確認しながら、評価できる形にしていく必要があります。

スタッフ自身が、会社に足りないものを見つけることもある

これも面白いところなんですけれども。

ある程度長く働いてくれて、周りを見る余裕が出てくると、スタッフ自身が会社の課題に気づいてくれることがあります。

例えば、

「スタッフ同士の意見をまとめる人が必要なんじゃないか」

「この部分は、もっと整理した方がいいんじゃないか」

というようなことです。

経営者の私がすべての問題に気づけるわけではありません。

現場で働いているスタッフだからこそ、見えていることもあります。

だったら、

「そこに気づいてくれたなら、ぜひ力を貸してほしい」

と伝えます。

そして本人も取り組みたいのであれば、その内容を評価項目に組み込むことがあります。

スタッフが見つけた会社の課題を、スタッフ自身の目標にできる。

これは、この仕組みの良いところだと思っています。

ただし、本人がやりたいことを何でも評価項目にするわけではない

ここは少し大切なところです。

スタッフがやりたいと言ったことを、何でもそのまま評価項目にするわけではありません。

本人がやりたいこと。

本人が伸ばしたい能力。

そして、会社として今後必要になること。

このあたりを照らし合わせて考えます。

例えば、本人が興味を持っていることでも、今の会社ではなかなか活かせないこともあるかもしれません。

逆に、会社として必要なことでも、本人がまったく興味を持てない場合もあります。

だからこそ、経営者とスタッフで一対一で話すんです。

「これをやってみたいんだね」

「それなら会社としては、こういう部分をお願いできると助かる」

「じゃあ、ここを目標にしてみようか」

そんな感じで決めています。

本人のやりたいことと、会社が目指す方向の重なるところを探す。

私はそこを大切にしています。

自分で決めた目標だからこそ、達成度を確認する

そして、目標を決めたら終わりではありません。

その目標に対して、どの程度達成できているのかを確認します。

例えば、営業であれば、どんな活動をして、どんな結果につながったのか。

教育であれば、どこまで指導できて、何ができるようになったのか。

スタッフの意見をまとめる役割であれば、どんな課題を整理し、どう改善につなげたのか。

こういうところを見ていきます。

もちろん、目標によって成果の測り方は違います。

だからこそ、最初に話し合って、何をもって達成とするのかを決めておく必要があります。

ただ「頑張りました」ではなく、実際に何が変わったのか。

そこは確認します。

これは以前の記事でも書きましたが、私は努力を認めることと、成果を評価することは分けて考えています。

達成したら、昇給や賞与でも評価する

では、本人が決めた目標を達成したらどうするのか。

そこは昇給や賞与にも反映させるようにしています。

ただし、すべての目標を達成したら必ず昇給というわけではありません。

継続的に担ってもらう役割なのか。

一定期間の取り組みに対する成果なのか。

会社への貢献がどの程度あるのか。

そういうところも考えます。

例えば、昇給するほどではなくても、会社にとって助かる成果を出してくれたのであれば、賞与で評価するという形もあります。

大切なのは、

本人が目標を決めて、実際に行動し、成果を出したことを会社としてきちんと評価する。

ということです。

やりたいことを任せるだけで終わらせたくはありません。

主体性を評価するなら、経営者が全部決めない方がいい

私は、主体性を評価するというのは、単純に、

「自分から動いているか」

をチェックすることだけではないと思っています。

もちろん、会社として必要な仕事はあります。

そこについては、会社側が基準を決める必要があります。

だから弊社でも、評価項目の大部分は私が決めています。

でも、それだけではなく、スタッフ自身が、

「これをやってみたい」

「ここを伸ばしたい」

「会社のこの部分を良くしたい」

と考える余地も残しておきたいんです。

経営者がすべて決めて、

「この通りにやってください」

という形だけでは、私が求めている主体性とは少し違います。

自分で考えて決めたことに、自分で取り組み、結果につなげていく。

私は、そういう経験を積んでほしいと思っています。

25項目のうち、2項目を空白にしている理由

弊社の評価制度では、1段階目の25項目はすべて会社側で決めています。

そして2段階目では、25項目のうち23項目を会社側で決め、残りの2項目をスタッフ自身に考えてもらいます。

たった2項目かもしれません。

でも、私はこの2項目が結構大切だと思っています。

会社として求める水準は、もちろんあります。

その一方で、スタッフ一人ひとりが持っている興味や得意なこと、今後やってみたいことも大切にしたい。

そして、それが会社の成長にもつながってくれたら、経営者としては嬉しいですよね。

だから、全部を会社側で決めるのではなく、あえて空白を残しています。

評価制度は、経営者がスタッフに求めることを書くだけのものではなく、スタッフ自身がこれからどう成長したいのかを考えるものでもある。

私はそんな考え方で、この仕組みを作っています。

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