経営をしていると、本当にいろいろなことが起こります。
スタッフを採用したけれど、思ったように働いてもらえなかった。
高いお金を払ってホームページを作ったけれど、ほとんど成果が出なかった。
広告にお金を使ったけれど、新規患者さんにつながらなかった。
患者さんが急に減った。
スタッフとの関係がうまくいかなくなった。
新しい仕組みを作ったけれど、全然定着しなかった。
こういうことは、経営をしていれば普通に起こります。
だから私は、問題が起こるたびに、
「なんでこんなことになったんだろう」
「またうまくいかなかった」
「自分は経営に向いていないんじゃないか」
と毎回落ち込んでいたら、経営なんてやっていられないと思っています。
経営で大切なのは、問題を起こさないことではありません。
起きた出来事を、自分がどう受け取るかだと思っています。
経営は、問題が起きる前提で考えた方がいい
まず、ここは最初に知っておいた方がいいと思います。
経営は、ずっと順風満帆に進むものではありません。
もちろん、何か月かすごく調子がいい時もあります。
患者さんが増える。
売上も伸びる。
スタッフもうまく育っている。
紹介も増える。
「あ、なんか全部うまくいってるな」
と思う時もあります。
でも、それがずっと続くとは限りません。
スタッフが辞めるかもしれない。
患者さんが入院するかもしれない。
競合が増えるかもしれない。
広告の反応が急に悪くなるかもしれない。
法律や制度が変わるかもしれない。
世の中全体の景気が悪くなるかもしれません。
自分ではどうにもできないことも、いくらでもあります。
だから、
「問題が起きた=経営が失敗している」
と考えない方がいいです。
問題が起きること自体は、経営では普通です。
重要なのは、
「じゃあ、この問題をどう処理するか」
「次に同じことが起きないように、何を変えるか」
という部分です。
毎回落ち込んでいたら、経営者自身が持たない
何か問題が起きるたびに、深く落ち込む。
自分を責める。
何日も引きずる。
これを繰り返していたら、経営者自身が持ちません。
経営って、基本的に次から次へと判断しなければいけないことが出てきます。
一つ問題が解決したと思ったら、別の問題が出てくる。
その繰り返しです。
だから、問題が起こることそのものに毎回強く反応してしまうと、精神的にすごくしんどくなります。
もちろん、人間なので落ち込むことはあります。
私だってあります。
ただ、ずっとそこで止まらないことです。
「ああ、失敗したな」
と思ったら、
「じゃあ次どうする?」
へ、できるだけ早く切り替える。
その方が経営は楽です。
問題が起きた時は「会社が一つ強くなる材料」と考える
私は何か問題が起きた時に、最近は、
「ここを直せば、会社がまた一つ良くなるな」
と考えるようにしています。
例えばスタッフがミスをした。
そこで、
「なんでこんなことしたんだ」
だけで終わるのではなく、
「このミスが起こらない仕組みが必要なんだな」
と考える。
採用がうまくいかなかった。
それなら、
「次の採用では、ここを確認しよう」
と考える。
広告で思った成果が出なかった。
それなら、
「ターゲットなのか、広告文なのか、ページなのか。どこを変える必要があるんだろう」
と考える。
そうやって一つずつ修正していくと、問題そのものが会社を強くする材料になります。
問題がなくなるから会社が強くなるのではなく、問題を解決した数だけ会社が強くなる。
私は、そんな感覚があります。
私は採用でもホームページでも、かなり失敗してきた
私自身も、経営を始めてからいろいろ失敗しています。
スタッフの採用でも、
「これは失敗したな」
と思ったことがあります。
ホームページでもあります。
今ではAIを使って自分で作ることも増えましたが、以前はホームページ制作会社と契約していました。
当時のホームページというのは、今と比べてもかなり高額でした。
一社契約すると、最終的に200万円近い費用になることもありました。
それで、
「これは本当に契約して良かったな」
と思った会社もあります。
逆に、
「これは失敗したな」
と思った会社もあります。
スタッフの採用も同じです。
一人正社員を雇えば、給与だけを考えても年間で数百万円かかります。
そこに社会保険料や採用費、教育に使う時間なども加わります。
そう考えると、採用の失敗というのは決して小さな金額ではありません。
200万円失敗した、ではなく「200万円で学べてよかった」と考える
例えば、ホームページで200万円近く使って、結果として、
「この会社へ依頼したのは失敗だったな」
と思ったとします。
もちろん、200万円は大きいです。
誰だって、無駄にしたくない金額です。
でも私は、そこで、
「200万円も無駄にしてしまった」
とずっと考えるようにはしていません。
どちらかというと、
「この金額で分かってよかったな」
と考えます。
今後、自分の会社がもっと大きくなる。
扱う金額も増える。
スタッフも増える。
事業も増えるかもしれない。
その時に同じ判断ミスをしたら、200万円では済まないかもしれません。
500万円かもしれない。
1000万円かもしれない。
もっと大きな損失になるかもしれません。
だったら、まだ会社が小さい時に、200万円で学べた。
そう考えれば、その失敗の見え方はかなり変わります。
採用の失敗も、会社が小さい時に経験しておいた方がいいことがある
採用も同じです。
一人スタッフを雇った。
うまくいかなかった。
退職した。
経営者としてはかなりしんどいです。
人件費もかかっています。
教育にも時間を使っています。
患者さんの引き継ぎもあります。
また求人を出さなければならない。
気持ちとしても疲れます。
でも、一人の採用で失敗したからこそ、
「面接でここを確認する必要があるな」
「入社したら、最初にこれを伝える必要があるな」
「こういう働き方だと会社には合わないんだな」
「自分自身のマネジメントにも問題があったな」
と学べます。
スタッフが20人、30人いる会社になってから初めてその問題に気づくより、人数が少ないうちに気づいた方が修正しやすいです。
そう考えると、失敗したことそのものより、その後何を変えたかの方が大切です。
損失を「授業料」と捉えることもできる
経営をしていると、どうしてもお金を失う失敗があります。
広告。
採用。
設備。
ホームページ。
システム。
研修。
新規事業。
やってみたけれど、思った成果が出なかった。
そういうことはいくらでもあります。
そこで、
「このお金を全部無駄にした」
と考えるか。
それとも、
「この金額で、これはやらない方がいいというデータを買った」
と考えるか。
同じ出来事でも、受け取り方によって全く変わります。
もちろん、何でも、
「勉強代だからいいや」
で済ませるのは違います。
ちゃんと振り返る必要があります。
なぜ失敗したのか。
どこで判断を間違えたのか。
次は何を確認するのか。
そこまで考えて初めて、授業料になります。
何も学ばず、同じ失敗を何度も繰り返すのであれば、それはただの損失です。
「この失敗から何を残せるか」を考える
失敗した時に、私は、
「この経験から何を残せるだろう」
と考えるようにしています。
例えば採用で失敗したら、採用基準を変える。
面接の質問を増やす。
研修制度を変える。
マニュアルを作る。
評価制度を見直す。
ホームページ制作で失敗したら、次回の業者選定基準を作る。
契約期間を見る。
更新費用を見る。
自分で修正できるかを見る。
成果物の権利が誰にあるのか確認する。
一つの失敗から、一つでも会社に残る仕組みを作れば、その失敗には意味があります。
経営者が失敗を怖がりすぎると、会社も動かなくなる
一度失敗すると、次が怖くなることがあります。
採用で失敗したから、もう人を雇いたくない。
広告で失敗したから、もう広告を出したくない。
ホームページ制作で失敗したから、もう投資したくない。
その気持ちも分かります。
でも、失敗を避けることだけを考えると、何も動けなくなります。
人を増やさなければ、会社を大きくすることは難しい。
広告を試さなければ、新しい患者さんとの接点が増えないこともあります。
設備投資をしなければ、効率が上がらないこともあります。
新しいことへ挑戦しなければ、今の会社のままです。
だから、
「失敗しないようにする」
より、
「失敗しても致命傷にならないようにする」
という考え方の方が、私は現実的だと思っています。
失敗しても会社が終わらない範囲で挑戦する
何でも無茶をすればいいわけではありません。
例えば、手元資金が100万円しかないのに、100万円すべてを広告へ使う。
これは、失敗したら会社が危なくなります。
そうではなくて、
「この金額なら、仮に全部なくなっても会社は続けられる」
という範囲で試す。
採用も同じです。
一気に5人採用するのではなく、まず1人雇ってみる。
新規事業も、最初から大きな店舗を借りるのではなく、小さく試す。
広告も、小さな予算から反応を見る。
失敗を完全に避けるのではなく、失敗しても戻れる状態を作ります。
この考え方があると、挑戦もしやすくなります。
問題が起きるたびに「また一つ会社が強くなった」と考える
会社を経営していると、
「なんでまたこんな問題が起きるんだろう」
と思うことがあります。
でも、最近は、
「ここが会社の弱いところだったんだな」
と思うようにしています。
問題が起きなければ、弱いところに気づけないこともあります。
スタッフが退職した。
そこで初めて、教育制度の弱さに気づく。
有給休暇を取りづらくなった。
そこで初めて、人員配置に余裕がないことに気づく。
患者さんからクレームがあった。
そこで初めて、説明方法が統一されていないことに気づく。
売上が急に落ちた。
そこで初めて、一つの集客経路へ依存していたことに気づく。
問題は、会社の弱い部分を見せてくれます。
だったら、そこを修正すればいい。
一つ問題を解決するたびに、以前より少し強い会社になります。
経営者に向いているかは、能力だけではなく受け取り方も大きい
経営者に必要なのは、経営の知識だけではないと思っています。
数字に強い。
営業が得意。
施術が上手。
人をまとめるのが得意。
もちろん、どれも重要です。
でも、それと同じくらい、
「起きたことをどう受け取るか」
は大切だと思います。
問題が起きるたびに、
「自分は駄目だ」
「もう終わりだ」
と考えてしまう。
それが何年も続けば、かなり苦しいです。
反対に、
「なるほど、ここが問題だったか」
「じゃあ次はこうしよう」
「またネタが一つ増えたな」
くらいに受け取れると、ずいぶん楽になります。
組織を作る経営が、全員に向いているわけではない
私は、誰もがスタッフを雇って会社を大きくする必要はないと思っています。
一人で整体院をやる。
一人で鍼灸院をやる。
一人で訪問マッサージをする。
自分の生活に必要な収入を得ながら、好きな仕事をする。
それも十分良い働き方です。
人を雇えば、問題は増えます。
採用。
教育。
給与。
人間関係。
退職。
労務。
評価。
一人でやっていた時にはなかった問題が出てきます。
それが本当に苦しくて、
「できればそういう問題には一切関わりたくない」
と思うのであれば、無理に組織を作る必要はありません。
一人で働く方が、その人にとって幸せな場合もあります。
それでも実現したいものがあるなら、問題込みで進む
一方で、
もっと多くの患者さんにサービスを届けたい。
スタッフが成長できる会社を作りたい。
こんな働き方ができる業界に変えたい。
新しい事業を作りたい。
自分一人ではできないことを実現したい。
そういう夢や理念があるなら、人を雇って組織を作る意味があります。
ただし、その場合には、問題が起こることもセットです。
良いところだけを取ることはできません。
スタッフが増えれば、うれしいことも増える。
その分、悩むことも増えます。
売上が増えれば、できることも増える。
その分、経営責任も大きくなります。
だから、
「問題がない会社を作ろう」
ではなく、
「問題が起きても修正できる会社を作ろう」
と考えた方がいいと思います。
失敗を隠すより、ネタにできるくらいの方がいい
私は、今までの失敗をこうやってブログにも書いています。
スタッフ採用の失敗。
給与設計の失敗。
ホームページ会社選びの失敗。
営業の失敗。
振り返れば、いくらでもあります。
当時はしんどかったです。
でも、今となっては、
「あれは本当に失敗したな」
と笑って話せます。
しかも、その経験が誰かの役に立つこともあります。
だったら、全部が無駄だったとは思いません。
むしろ、
「またブログのネタができたな」
くらいでいいと思っています。
失敗を格好悪いものとして隠し続けるより、
「こんな失敗したけど、こう変えました」
と話せる方が、自分自身も楽です。
嫌なことがあった日は、無理に立派な経営者でいなくてもいい
何か大きな問題が起きた日に、すぐに、
「この失敗から学ばなければ」
と無理に前向きになる必要もないと思っています。
人間なので、嫌なものは嫌です。
腹が立つこともあります。
落ち込むこともあります。
そんな日は、誰かと話してもいい。
好きなものを食べてもいい。
お酒が好きなら、飲みながら笑ってもいい。
一晩寝てから考えたっていいと思います。
大切なのは、そこで何週間も止まらないことです。
少し気持ちが戻ったら、
「じゃあ、次どうしよう」
と考えればいい。
経営は長く続くものです。
毎回100点の精神状態で対応する必要はありません。
大切なのは、失敗した事実より、その後どう変えたか
経営をしていれば、失敗します。
判断を間違えることもあります。
お金を無駄にすることもあります。
人を見る目を間違えることもあります。
後になって、
「なんであんな契約したんだろう」
と思うこともあります。
でも、その失敗が経営者としての価値を決めるわけではありません。
重要なのは、その後です。
何を学んだのか。
何を変えたのか。
同じ失敗を防ぐ仕組みを作ったのか。
次の判断に活かしたのか。
そこだと思っています。
失敗したことより、失敗した後に何も変えないことの方が、私は怖いです。
経営の問題は「また一つ良くなる場所が見つかった」と受け取る
経営に問題はつきものです。
全部が思い通りになることなんて、ほとんどありません。
だから、何か起こるたびに、
「また駄目だった」
と受け取るのではなく、
「ここを直せば、また一つ会社が良くなる」
と考える。
200万円の失敗をしたなら、
「200万円で済んでよかった」
と考える。
採用で失敗したなら、
「会社がまだ小さい時に経験できてよかった」
と考える。
スタッフとの関係で問題が起きたなら、
「自分のマネジメントを見直す機会になった」
と考える。
もちろん、反省はします。
でも、自分を責め続ける必要はありません。
経営で大事なのは、何が起きたかだけではなく、その出来事をどう受け取り、次にどう使うかです。
問題が起きた。
修正した。
会社が少し良くなった。
また問題が起きた。
また修正した。
私は、経営ってその繰り返しだと思っています。
だったら、あまり深刻になりすぎず、
「また一つ経験値が増えたな」
くらいの気持ちで、長く続けていく方がいい。
その方が経営者自身も疲弊せず、会社も少しずつ強くなっていくと思っています。

ここまで読んで、
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