訪問マッサージで「契約しない」という判断も必要だと学んだ話

今回は、訪問マッサージの初回無料体験で、あえて契約しないという判断について書いてみようと思います。

開業したばかりの頃は、とにかく契約が欲しいものです。

私自身も、営業へ行ってもなかなか紹介がいただけず、一件の契約がどれほどありがたいかを痛いほど感じていました。

だからこそ、初回無料体験へ伺ったら、できるだけ契約につなげたいと思っていました。

しかし、経験を重ねる中で一つ学んだことがあります。

「契約できること」と「契約した方がよいこと」は、必ずしも同じではないということです。

もちろん、基本的には目の前の利用者さんのお役に立ちたいと思っています。

ですが、ごく一部では、最初から契約しない方がお互いのためになるケースもありました。

目次

契約したことで、ご迷惑をおかけしてしまった経験

これは、私自身が反省している出来事です。

初回無料体験へ伺った利用者さんのご自宅が、掃除がされていない環境でした。

当時は、

「そんな理由で断るなんて、自分が嫌がってはいけない」

と思っていました。

そのため、そのまま契約し、訪問マッサージを開始しました。

ところが、訪問を続けていく中で、私は蕁麻疹が出るようになってしまいました。

体調を考え、このまま施術を続けることが難しくなり、最終的にはこちらから契約を終了させていただくことになりました。

もちろん利用者さんには事情をご説明しましたが、結果としてご迷惑をおかけしてしまいました。

今振り返ると、最初の段階でお断りした方が、お互いのためだったと思っています。

利用者さんも、新しく別の事業者を探さなければならなくなりました。

私自身も、「最後まで責任を持てなかった」という申し訳なさが残りました。

この経験から、無理をして契約することが、必ずしも相手のためになるわけではないと学びました。

要望が多すぎる場合も慎重に考える

もう一つ、契約を慎重に考えた方がよいと感じるのは、要望があまりにも多い場合です。

訪問マッサージは、多くの事業所で曜日と時間を固定して訪問しています。

利用者さんにも予定が立てやすく、施術者側もスケジュールを組みやすくなるためです。

ところが、中には、

「今日は急に痛くなったから来てほしい」

「つらくなった時だけお願いしたい」

というご希望をお持ちの方もいらっしゃいます。

そのお気持ちはよく分かります。

つらい時に来てもらえたら、一番ありがたいと思うのは当然です。

ただ、訪問マッサージは予約制で動いています。

すでに他の利用者さんの予定が入っている中で、その都度予定を変更することは現実的には難しい場合がほとんどです。

開業したばかりで予約に余裕がある時期なら対応できることもあるかもしれません。

しかし、利用者さんが増えてくれば、その約束を守ることはできなくなります。

最初は対応できても、後になって「やはりできません」となる方が、かえって利用者さんを困らせてしまいます。

無理な約束は、お互いを苦しめる

利用者さんの希望をできるだけ叶えたい。

これは、施術者であれば誰でも思うことです。

しかし、その気持ちだけで何でも引き受けてしまうと、今度は自分が疲弊してしまいます。

予定は毎日のように変わり、ほかの利用者さんにも影響が出るかもしれません。

その結果、サービス全体の質まで下がってしまうことがあります。

一人の利用者さんだけでなく、すべての利用者さんへ安定したサービスを提供することも、事業者として大切な役割です。

だからこそ、最初の段階で対応できることと、対応できないことは正直にお伝えした方がよいと思っています。

断ることは、冷たいことではない

「契約を断る」と聞くと、冷たい対応のように感じるかもしれません。

しかし、本当に最後まで責任を持てないと分かっているのであれば、無理に契約する方が失礼だと思います。

契約してから途中で終了する。

約束したことが守れない。

その方が利用者さんにもご家族にも、ご迷惑をおかけしてしまいます。

もちろん、簡単に断ればよいという話ではありません。

できる限り力になりたいという気持ちは大切です。

その上で、自分たちが責任を持って対応できる範囲を超えてしまうのであれば、お断りするという判断も必要だと思います。

契約件数よりも、最後まで責任を持てるか

開業したばかりの頃は、契約件数ばかりに目が向きがちです。

私自身もそうでした。

しかし、事業を長く続けていくためには、契約件数だけを追いかけるのではなく、最後まで責任を持って関われるかどうかも考えなければなりません。

利用者さんのため。

ご家族のため。

そして、自分自身やスタッフが無理なく働き続けるため。

そのすべてを考えた時に、契約しないという判断が最善になることもあります。

私は、この経験を通して、契約は「取れればよい」というものではなく、最後まで責任を持って関われるかどうかを考えて決めるものだと感じるようになりました。

ここまで読んで、
何か引っかかるところがあった方へ。

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