訪問マッサージの初回無料体験で契約につなげるために大切なこと

今回は、訪問マッサージの初回無料体験で、どのように契約につなげていくのかについて書いてみようと思います。

初回無料体験を申し込まれた方が、自分の事業所だけに依頼しているとは限りません。

複数の訪問マッサージ事業者へ体験を依頼し、その中から利用するところを選ぶ方もいらっしゃいます。

これは、特別なことではないと思います。

例えば、家の中で何かが壊れた時、見積もりが無料であれば、何社かに依頼して比較することがあります。

引っ越しをする時も、複数の会社から見積もりを取る方は多いでしょう。

訪問マッサージの初回無料体験も、それと同じです。

料金や施術内容、担当者の人柄などを比較した上で、自分に合う事業者を選びたいと考えるのは当然だと思います。

だからこそ初回無料体験では、単にマッサージをして帰るのではなく、

「この人に今後もお願いしたい」と思っていただくための準備と提案が必要になります。

目次

まずは、安心してもらえる資料を用意する

初回無料体験で意外と大切なのが、パンフレットや説明資料です。

大手の訪問マッサージ事業者であれば、きれいに作られたパンフレットがあり、会社名や所在地、運営法人、サービス内容などが分かりやすく書かれています。

利用者さんやご家族からすれば、初めて会う人を自宅に入れ、今後は自分の体を任せることになります。

そのため、どのような事業所なのかが分かる資料があることは、一つの安心材料になります。

個人で開業したばかりの場合、大手と同じ規模のパンフレットを作るのは難しいかもしれません。

私自身も、開業当初から十分な資金があったわけではありません。

それでも、最低限、

  • 事業所名
  • 代表者や担当者の名前
  • 保有資格
  • 所在地や連絡先
  • 対応地域
  • 訪問マッサージの内容
  • 料金の目安
  • 利用開始までの流れ

といったことが分かる資料は用意しておいた方がよいと思います。

立派な冊子である必要はありません。

大切なのは、利用者さんやご家族が後から見返した時に、必要な情報がきちんと分かることです。

複数の事業者を比較している場合、体験が終わった後には、話した内容が混ざってしまうこともあります。

その時に分かりやすい資料が残っていれば、思い出してもらいやすくなります。

初回体験は、施術よりも問診から始まっている

初回無料体験というと、どのような施術を見せるかに意識が向きやすいと思います。

もちろん、実際の施術も大切です。

しかし、それより前に、まずきちんと問診をすることが重要です。

利用者さんの中には、体のつらさを誰かに聞いてほしいと思っている方もいます。

どこが痛いのか。

いつから困っているのか。

これまでどのような治療や介護サービスを受けてきたのか。

日常生活の中で、何が一番大変なのか。

そうした話を、途中で遮らずに聞くことが必要です。

施術者としては、早く体の状態を確認し、何か専門的な説明をしたくなるかもしれません。

しかし、利用者さんからすれば、まずは自分の困りごとを理解してほしいという気持ちがあります。

「この人は、自分の話をきちんと聞いてくれる」

そう感じていただくことが、信頼関係の始まりになります。

症状だけでなく「どうなりたいのか」を聞く

問診では、痛みや体の状態だけを確認すればよいわけではありません。

大切なのは、その方が訪問マッサージを受けることで、どのようになりたいと思っているのかを知ることです。

痛みを少しでも楽にしたいのか。

ベッドから起き上がれるようになりたいのか。

トイレまで自分で歩きたいのか。

家族の介助負担を減らしたいのか。

外出できる状態を維持したいのか。

単に気持ちよくマッサージを受けたいのか。

同じ病気や症状があっても、希望していることは人によって違います。

寝たきりで、ご本人が十分に意思を伝えることが難しい場合には、ご家族の希望を聞くことも大切です。

ご家族が何に困っているのか。

今後どのような生活を続けてほしいと思っているのか。

何を期待して訪問マッサージを申し込んだのか。

そこを理解しないまま施術を始めても、相手が求めている提案にはなりません。

訪問マッサージを受けること自体が目的なのではなく、その先に実現したい生活があるのだと思います。

紹介の場合は、事前に希望を確認しておく

ケアマネジャーの方から紹介をいただいた場合には、初回体験へ伺う前に、分かる範囲で状況を確認しておくとよいと思います。

どのような病気や症状があるのか。

現在の生活状況はどうなっているのか。

本人やご家族は、何に困っているのか。

ケアマネジャーの方は、訪問マッサージに何を期待しているのか。

あらかじめ情報があれば、初回体験の場で、より具体的な質問や提案ができます。

何も知らずに伺い、その場で初めてすべてを聞くよりも、

「ケアマネジャーさんから、立ち上がる時に特にお困りだと伺っています」

と伝えた方が、利用者さんやご家族も安心しやすくなります。

自分のことを理解しようとしてくれている。

紹介者ときちんと連携している。

そう感じていただくことも、事業者を選ぶ一つの判断材料になります。

料金と手続きは、できるだけ分かりやすく説明する

施術内容だけでなく、料金や利用開始までの手続きについても、分かりやすく説明する必要があります。

訪問マッサージを受けたことがない方にとっては、健康保険が使えることや、医師の同意書が必要になることも、よく分からない話です。

料金はいくらくらいになるのか。

毎月どの程度の負担があるのか。

同意書とは何なのか。

どの病院や医師にお願いすればよいのか。

利用を始めるまでに何をしなければならないのか。

説明が曖昧なままだと、利用者さんやご家族は不安になります。

特に、同意書の手続きが非常に面倒そうに感じられると、

「そこまでして受けなくてもいいかな」

と思われてしまうことがあります。

これまで訪問マッサージを受けずに生活してきた方です。

多くの場合、今すぐ必ず始めなければならないという切迫感があるわけではありません。

少しでも手続きが面倒そうに見えると、そのまま見送られてしまう可能性があります。

そのため、同意書の取得をどこまで事業者側で支援できるのかを、はっきり伝えることが大切です。

利用者さんやご家族の代わりに、すべての手続きを行えるわけではありません。

それでも、必要な書類を用意する、病院へ依頼する方法を説明する、分からない部分を一緒に確認するといった支援はできます。

利用を始めるまでの負担をできるだけ小さくすることも、契約につなげるための重要な要素です。

その人の希望に合わせた施術方針を提案する

問診で話を聞いた後は、その内容をもとに、今後どのような施術をしていくのかを提案します。

ここで大切なのは、自分ができる施術を一方的に説明することではありません。

利用者さんやご家族の希望を汲み取り、その希望に対して、自分たちがどのように関われるのかを伝えることです。

例えば、

「痛みを和らげることを中心に、まずはリラックスして受けられる施術を行います」

「立ち上がりにお困りなので、マッサージに加えて、無理のない範囲で足の運動も取り入れます」

「寝ている時間が長いため、関節が動きにくくならないように、体の状態を確認しながら動かしていきます」

というように、その方の困りごとと施術内容を結びつけて説明します。

利用者さんからすれば、専門的な手技の名前を聞いても、それが自分の生活にどう役立つのかは分かりません。

何をするのかだけでなく、

「それによって、どのような生活を目指していくのか」

まで伝える必要があります。

機能訓練を行うのかどうかも、事前に決めておく

訪問マッサージ事業者によって、提供する内容は異なります。

マッサージを中心に行う事業者もあります。

マッサージに加えて、関節運動や立ち上がり練習などの機能訓練を取り入れる事業者もあります。

どちらが正しいということではありません。

大切なのは、自分の事業所が何を提供するのかを明確にしておくことです。

利用者さんが歩行や立ち上がりの練習を希望しているのに、マッサージしか行わないのであれば、希望とのズレが生じます。

反対に、ゆっくりマッサージを受けたい方に対して、毎回運動を強く勧めれば、負担に感じられるかもしれません。

初回体験の段階で、

  • どのような施術を行うのか
  • 機能訓練を取り入れるのか
  • 本人の希望をどこまで反映するのか
  • 週に何回程度の訪問を提案するのか

といった方針を説明しておくことが必要です。

利用者さんの希望に合わせることは大切ですが、何でもできますと約束することとは違います。

自分たちが責任を持って提供できる範囲を明確にした上で、最適だと考える方法を提案することが重要です。

個人で開業するなら、自分の強みを明確にする

複数の事業者が初回無料体験へ来る場合、利用者さんやご家族は、それぞれを比較します。

その中で、自分の事業所を選んでいただくためには、どのような強みがあるのかを明確にしておく必要があります。

例えば、

  • 特定の病気や症状への対応経験が豊富
  • マッサージだけでなく機能訓練にも対応できる
  • ご家族への説明や介助方法の助言も行う
  • ケアマネジャーとの連携や報告を丁寧に行う
  • 一人ひとりに合わせて施術内容を細かく変える

といったものです。

大手と比べて、会社の規模やパンフレットの立派さでは負けるかもしれません。

しかし、個人であるからこそ、一人ひとりの希望を細かく聞き、柔軟に対応できることもあります。

自分は何が得意なのか。

ほかの事業者ではなく、自分へ依頼する理由は何なのか。

それを自分自身が理解していなければ、利用者さんへ伝えることもできません。

開業したばかりの方ほど、初回体験へ行く前に、自分の強みを整理しておく必要があると思います。

初回体験の最後に、こちらの意思を言葉にする

問診を行い、施術を体験していただき、料金や今後の方針を説明した。

そこで、そのまま帰ってしまう方もいるかもしれません。

しかし、私は最後に、もう一言伝えることが大切だと考えています。

例えば、

「〇〇さんの体が少しでも楽になり、これからの日常生活を穏やかに送れるように、ぜひ私にお手伝いさせてください」

という言葉です。

表現は、その人なりの言葉でよいと思います。

大切なのは、契約するかどうかを相手へ丸投げするのではなく、

「私はあなたに関わりたいと思っています」

という意思を伝えることです。

人は、誰かから真剣にお願いされたことで、行動を決めることがあります。

自分自身も、誰かから熱意を持ってお願いされ、

「そこまで言ってくれるなら、やってみようかな」

と思った経験があるのではないでしょうか。

もちろん、強引に契約を迫るという意味ではありません。

不安を煽ったり、今すぐ決めなければいけないような言い方をしたりする必要もありません。

ただ、こちらが本当に力になりたいと考えているのであれば、その気持ちはきちんと言葉にした方がよいと思います。

大切な体を任せる相手だからこそ、熱意も見られている

利用者さんにとって、自分の体は代えのきかないものです。

その大切な体へ、継続的に触れてもらう相手を選ぶことになります。

そのため、知識や技術だけでなく、人柄や誠意も見られています。

自分の話を真剣に聞いてくれるか。

体の状態を丁寧に見てくれるか。

質問に分かりやすく答えてくれるか。

今後について、きちんと考えてくれているか。

そして、自分の力になりたいという気持ちがあるか。

最後の一言があることで、

「この人は、真剣に自分のことを考えてくれている」

「熱意を持って関わろうとしてくれている」

と感じていただけることがあります。

同じような技術や料金の事業者が複数あれば、最後は人によって選ばれることも少なくありません。

契約を勝ち取るのではなく、選ぶ理由を作る

初回無料体験で契約につなげるというと、話術によって相手を説得するようなイメージを持つかもしれません。

しかし、実際に必要なのは、強く売り込むことではないと思います。

利用者さんやご家族の話を丁寧に聞く。

どのような生活を望んでいるのかを理解する。

料金や同意書の手続きを分かりやすく説明する。

その方に合った施術方針を提案する。

自分たちの強みを伝える。

そして最後に、力になりたいという意思を言葉にする。

その積み重ねによって、

「ほかの事業者ではなく、この人にお願いしたい」

と思っていただける理由が生まれます。

訪問マッサージの初回無料体験で大切なのは、短い時間で無理に契約を取ることではありません。

利用者さんやご家族の希望を理解し、自分たちならどのように力になれるのかを、誠実に示すことです。

資料の見栄えや施術の技術だけではなく、問診、説明、提案、手続きの分かりやすさ、そして最後に伝える熱意。

そのすべてを含めて、初回無料体験なのだと思います。

ここまで読んで、
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