今回は、整体院や鍼灸院、訪問マッサージを経営している方に向けて、「集客経路を一つに依存しない」という考え方について書いてみようと思います。
個人的には、一番理想的な集客方法は、患者さんからの紹介だと思っています。
実際、紹介で来院してくださる方は、ほかの集客経路から来られる方と比べて、最初からある程度の信頼があります。
信頼している人から、
「ここへ行ってみたら」
「私は通って調子が良くなった」
と聞いているため、こちらが一から細かく説明しなくても、ある程度のことを理解した状態で来てくださいます。
そのため、施術を受けるまでの説明や、その後の継続についても、ほかの集客経路より比較的スムーズに進むことがあります。
患者さんから紹介していただけることは、本当にありがたいことです。
ただし、紹介がうまくいっているからといって、ほかの集客方法をおろそかにするのは危険です。
紹介は大切にする。ただし、紹介だけには依存しない。
この考え方は、長く安定して経営を続けるために必要だと思っています。
紹介は、最初から信頼がある集客経路
患者さんからの紹介が強い理由は、紹介された方が、信頼している人の体験を聞いているからです。
インターネット広告を見ただけの場合、
「本当に自分に合うのだろうか」
「どのような先生なのだろうか」
「無理に通院を勧められないだろうか」
といった不安があります。
しかし、家族や友人など、自分が信頼している人から紹介された場合は違います。
紹介してくださった方が、施術を受けた感想や、院内の雰囲気、施術者の人柄などを、すでに話してくださっています。
そのため、紹介された方は、
「あの人がそこまで言うなら、一度行ってみようかな」
という気持ちで問い合わせをしてくださいます。
初めて来院する時点で、すでに一定の信頼があるわけです。
これは、Google広告やSNSなど、ほかの集客方法にはない大きな強みだと思います。
紹介が順調だからといって、経営が安定しているとは限らない
紹介が続くようになると、新しい患者さんが自然と増えていきます。
広告を出さなくても患者さんが来る。
SNSを更新しなくても問い合わせが入る。
ホームページを改善しなくても予約が埋まる。
そのような状態になると、
「もう集客については大丈夫だろう」
「今まで頑張ってきたから、少しゆっくりしてもいいかな」
と思うことがあります。
それまで必死に動いてきたのですから、そう感じる気持ちはよく分かります。
ただし、紹介だけで患者さんが増えている状態は、本当に安定しているのでしょうか。
紹介してくださっている患者さんが、引っ越してしまうかもしれません。
入院などによって来院できなくなることもあります。
生活環境が変わり、周囲の方へ整体院の話をする機会が減ることもあります。
こちらの小さな不手際が重なり、紹介が止まる可能性もあります。
紹介が止まった時、ほかに患者さんが来る経路がなければ、そこから急いで集客を始めなければなりません。
しかし、困ってから新しい集客経路を作ろうとしても、すぐに結果が出るとは限りません。
うまくいっている時こそ、次の集客経路を作る
経営が苦しくなってから集客を始めると、どうしても焦りが出ます。
広告費を急に増やしたり、十分に内容を考えずにキャンペーンを始めたりすることもあります。
しかし、売上に余裕がある時であれば、結果を確認しながら少しずつ改善できます。
今すぐ患者さんを増やさなければならないという焦りがないため、落ち着いて取り組めます。
だからこそ、紹介が順調な時にも、別の集客経路を育てておくことが大切です。
今うまくいっているものをやめる必要はありません。
紹介を大切にしながら、少しずつほかの入口を増やしていきます。
余裕がある時に動くことが、将来の困った時に対する備えになります。
Google検索は、今すぐ行きたい人へ届きやすい
紹介以外の集客経路として、まず考えられるのがGoogle検索です。
体に痛みや不調を感じた時に、
「最寄り駅 整体」
「腰痛 鍼灸院」
「近くの整体院」
などと検索する方は多くいます。
このように検索する方は、すでに整体院や鍼灸院を探している状態です。
今すぐ行きたい。
できれば今日や明日にでも相談したい。
そのような来院意欲の高い方へ情報を届けられるのが、Google検索の強みです。
そのため、ホームページを整えたり、Google広告を出したりすることは、一つの有効な方法だと思います。
Google広告は、経営の数字を学ぶ機会にもなる
Google広告というと、難しそうだと感じる方もいると思います。
実際、最初に管理画面を見ると、聞いたことのない言葉や数字がたくさん並んでいます。
表示回数。
クリック数。
クリック率。
クリック単価。
コンバージョン率。
最初は、何を見ればよいのか分からないかもしれません。
ただ、管理画面にその数字が表示されているということは、広告や経営を考える上で、それらの指標が重要だということです。
広告を実際に動かしてみると、
「広告が何回表示されたのか」
「どのくらいの人がクリックしたのか」
「問い合わせにつながった割合はどのくらいなのか」
といったことを考えるようになります。
経営の数字がよく分からない方であっても、自分で広告を触ることで学べることは多くあります。
最初から大きな金額を使う必要はありません。
少額から始め、AIなども使いながら数字を確認してみるだけでも、十分に勉強になると思います。
Googleマップも整えておいた方がいい
Google検索と合わせて重要なのが、Googleマップです。
最近では、整体院や鍼灸院を探す際に、Googleマップを使う方も多くいます。
地図を見ながら、自宅や職場から通いやすい場所を探します。
その際に、
- 口コミ
- 院内や外観の写真
- 営業時間
- 電話番号
- ホームページ
- 施術内容
などを確認します。
ホームページを作っていても、Googleマップの情報が古かったり、写真がほとんどなかったりすると、不安を感じる方もいます。
反対に、情報がきちんと整理されていれば、
「現在もきちんと営業している整体院なんだな」
と安心してもらえます。
Googleビジネスプロフィールは、無料で利用できます。
一度登録して終わりではなく、営業時間や写真、投稿内容などを定期的に確認しておくとよいと思います。
SNSは、無料で出せる広告と考える
SNSに苦手意識を持っている方も多いと思います。
「自分のプライベートを出したくない」
「毎日投稿するのは大変そう」
「反応が少なかったら恥ずかしい」
そのように感じて、始めない方もいます。
しかし、SNSは必ずしも自分の私生活を公開する場所ではありません。
私は、SNSを無料で出せる広告と考えればよいと思っています。
Instagram、Threads、Xなどには、それぞれ多くの利用者がいます。
利用者がアプリの中で検索をすると、関連する投稿が表示されます。
その中に自分の整体院の情報が一つもなければ、SNSを通じて知ってもらう可能性はほとんどありません。
反対に、数は少なくても投稿があれば、たまたま見つけてもらえる可能性があります。
その投稿をきっかけに、ホームページを見てもらえるかもしれません。
Googleマップで場所を調べてもらえるかもしれません。
すぐに予約へつながらなくても、院の存在を知ってもらう入口になります。
SNSは毎日投稿しなくてもいい
SNSを始めると、毎日投稿しなければ意味がないと思う方もいます。
もちろん、頻繁に投稿できるのであれば、それに越したことはありません。
ただ、無理をして毎日投稿し、短期間で疲れてやめてしまうのであれば、定期的に長く続けた方がよいと思います。
週に一度でもよいですし、月に数回でも構いません。
体についての考え方。
院内の雰囲気。
どのような思いで施術しているのか。
どのような方に利用してほしいのか。
こうした内容を少しずつ発信しておけば、検索した時に、その整体院について知る材料になります。
情報が何もない状態より、少しでも情報がある状態の方が、来院を検討しやすくなります。
ポータルサイトへ掲載する方法もある
整体院や鍼灸院を掲載できるポータルサイトも、一つの集客経路になります。
ポータルサイトには、地域や症状などから院を検索する方が集まっています。
掲載料や成果報酬が必要になることもありますが、自院のホームページだけでは接点を持てない方へ知ってもらえる可能性があります。
ただし、ポータルサイトだけに依存することもおすすめしません。
掲載料金が上がることもあります。
サイトの仕組みが変わることもあります。
競合の掲載数が増え、以前より目立たなくなることもあります。
利用する場合は、ポータルサイトから来た患者さんを、きちんと自院のファンへ変えていくことが大切です。
看板は地域での認知を積み重ねられる
店舗型の整体院や鍼灸院であれば、看板も重要な集客経路です。
院の近くを日常的に歩いている方や、車で通っている方に対して、繰り返し存在を知ってもらえます。
今すぐ来院する必要がなくても、
「ここに整体院がある」
と覚えてもらえれば、体に不調を感じた時に思い出してもらえる可能性があります。
看板があることは、店舗として営業していることを伝える意味でも安心感につながります。
ただし、看板は大きさや設置場所によって費用が大きく変わります。
毎月費用がかかる場合もあるため、周囲からどの程度見えるのか、どのような人が通る場所なのかを確認した上で検討する必要があります。
予約が空いている時間を、集客へ投資する
個人経営の整体院や鍼灸院では、予約が入っていない時間があります。
開業したばかりであれば、空いている時間の方が長いこともあると思います。
予約が入らないと、落ち込むこともあります。
自分の施術に価値がないのではないか。
このまま経営を続けられるのだろうか。
そのように考えてしまう気持ちも分かります。
しかし、空いている時間は、何もできない時間ではありません。
将来の患者さんと出会うための時間として使えます。
- ホームページを改善する
- ブログを書く
- SNSへ投稿する
- Googleマップの写真を更新する
- 広告について勉強する
- チラシやパンフレットを見直す
- 地域の事業者へ挨拶に行く
こうした行動は、すぐには結果につながらないかもしれません。
しかし、何もしなければ、患者さんが自院を知る入口は増えません。
ある程度経営がうまくいっている方の多くは、予約が空いていた時期に、集客のための行動を続けてきたのだと思います。
空いている時間に落ち込むのではなく、集客経路を作るために時間と労力を使う。
その積み重ねが、後の経営を支えます。
紹介だけでなく、広告だけに依存するのも危険
一つに依存する危険性は、紹介に限った話ではありません。
Google広告だけで患者さんを集めている場合も同じです。
広告費が上がるかもしれません。
競合が増え、以前と同じ金額では問い合わせが取れなくなることもあります。
広告の仕組みや審査基準が変わることもあります。
SNSだけに頼っている場合も、表示の仕組みが変わることで、急に投稿が見られなくなる可能性があります。
ポータルサイトだけに依存している場合も、そのサイトの掲載条件が変われば影響を受けます。
どの集客方法にも、良い部分と不安定な部分があります。
だからこそ、一つだけを正解にするのではなく、複数の経路を持っておく必要があります。
複数の集客経路を、少しずつ育てる
複数の集客経路を持つといっても、すべてを一度に完璧にする必要はありません。
紹介を大切にしながら、Googleマップを整える。
ホームページを持ちながら、月に数回SNSを更新する。
少額でGoogle広告を試しながら、院内には紹介用のパンフレットを置く。
そのように、一つずつ増やしていけばよいと思います。
理想は、患者さんが自院を知る入口が複数ある状態です。
- 患者さんからの紹介
- Google検索
- Googleマップ
- Google広告
- SNS
- ホームページやブログ
- ポータルサイト
- チラシやパンフレット
- 看板
どれか一つが弱くなっても、ほかの経路から患者さんが来てくださる。
その状態を少しずつ作ることで、経営の安定性は高くなります。
売上の柱についても、一つに依存しない
一つに依存しないという考え方は、集客だけではありません。
売上の柱についても同じです。
整体施術だけで売上を作っている場合、その施術を受ける患者さんが減れば、売上全体が下がります。
そこで、自院の考え方や患者さんのニーズに合うのであれば、別の売上の柱を検討する方法もあります。
例えば、施術に関連する商品を販売する。
運動指導やピラティスなど、別のサービスを導入する。
施術者を増やし、複数の担当者で売上を作る。
一店舗だけでなく、複数店舗を展開する。
もちろん、何でも始めればよいわけではありません。
信頼できる人がいるのか。
自分たちが責任を持って提供できるのか。
患者さんにとって本当に必要なのか。
そこを考えた上で、少しずつ柱を増やしていく必要があります。
一つの事業がうまくいかなかった時に、すべての売上が止まる状態より、複数の柱がある方が経営は安定しやすくなります。
広げすぎて、すべて中途半端にしない
ただし、依存を避けることと、何でも手を出すことは違います。
集客方法を増やそうとして、Google広告、SNS、ブログ、動画、チラシを一度に始めても、すべてが中途半端になることがあります。
売上の柱を増やそうとして、本来の整体施術まで雑になってしまえば意味がありません。
まずは、自分の院に合うものから一つずつ始める。
ある程度仕組みができてから、次の経路へ進む。
紹介が強いのであれば、その関係を大切にしながらGoogleマップを整える。
Google検索から問い合わせがあるのであれば、ホームページの内容を改善する。
SNSが続けやすいのであれば、無理のない頻度で発信を続ける。
自分の得意なものや、患者さんが利用している媒体から始めればよいと思います。
今の集客経路が止まったらどうなるかを考える
一度、自分の院の集客経路を整理してみてください。
新しい患者さんは、どこから来ているのか。
紹介は誰から発生しているのか。
Google検索から毎月何件くらい問い合わせがあるのか。
SNSやポータルサイトから、本当に患者さんが来ているのか。
それぞれの割合を確認します。
その上で、最も大きな集客経路が、明日突然なくなったらどうなるかを考えます。
紹介が止まったら。
広告を出せなくなったら。
SNSが使えなくなったら。
ポータルサイトを解約したら。
それでも新しい患者さんと出会えるのか。
答えが「ほとんど来なくなる」であれば、今のうちに別の入口を作る必要があります。
経営がうまくいっている時ほど動く
経営が苦しい時に動くのは、ある意味では当然です。
動かなければ売上がなくなってしまうからです。
難しいのは、うまくいっている時にも動き続けることです。
紹介が続いている。
予約もある程度埋まっている。
売上も目標に届いている。
そのような時に、新しい集客方法を学び、次の準備をする。
これができるかどうかで、数年後の安定性は大きく変わります。
今の集客がうまくいっていることには感謝する。
しかし、その状態が永遠に続くとは考えない。
余裕があるうちに、次の入口を作っておく。
一つの集客経路に依存することは、自分の経営をその一つへ預けることでもあります。
患者さんからの紹介は、これからも大切にする。
同時に、Google検索、Googleマップ、SNS、ホームページ、広告、看板など、別の経路も少しずつ育てる。
何か一つが止まっても、事業全体が大きく崩れない状態を作る。
それが、個人の整体院や鍼灸院を長く続けていくためには必要だと思っています。

ここまで読んで、
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