今回は、私自身が経営を始めた頃に経験した失敗についてお話しします。
今振り返ると、「あの経験があったから今の考え方になった」と思える出来事です。
開業して収入が増え、安心してしまった
開業当初は、一人で訪問マッサージ・訪問鍼灸を行っていました。
会社員時代と比べると、収入は3倍以上になりました。
子育てや将来の貯蓄のことも考えていた時期だったので、「開業して本当に良かった」と心から思ったことを覚えています。
ところが、その安心感が少しずつ私の行動を変えてしまいました。
「このくらいの売上が続けば十分だな」
そんな気持ちになり、どこかで現状に満足してしまったのです。
売上が突然半分になった
当時は毎月80万円前後の売上で安定していました。
一人で訪問施術をしている個人事業としては、決して悪い数字ではありません。
ところが、ある月に突然、売上が約40万円まで落ちました。
患者さんの入院や終了など、さまざまな要因が重なった結果でしたが、数字を見た瞬間は本当に背筋が凍りました。
「こんなに一気に下がることがあるのか」
経営の怖さを初めて本気で実感した瞬間でした。
「現状維持は後退の始まり」の意味が分かった
そのとき思い出したのが、「現状維持は後退の始まり」という考え方です。
この言葉は、松下幸之助氏の考え方として広く知られており、変化し続ける社会では、何もしなければ相対的に後退してしまうという意味で語られています。
以前は頭では理解しているつもりでした。
でも、自分の売上が半分になったことで、この言葉の重みを初めて体感しました。
経営者にとって一番危険なのは、売上が悪いことではありません。
「このままで大丈夫だろう」と安心してしまうことです。
経営者は学び続けるしかない
そこから私は気持ちを切り替えました。
患者さんのために何ができるか。
もっと良いサービスはないか。
もっと学ぶことはないか。
そう考えて行動を続けた結果、翌月以降は売上も回復し、それ以来、コロナ禍を含めても、あの時のように売上が半減する経験はありませんでした。
もちろん経営には波があります。
ですが、何もしないまま現状に満足してしまうことだけは避けるようになりました。
経営者は「安心」ではなく「改善」を習慣にする
私は今でも、「もう大丈夫だ」と思い始めたときほど、自分に問いかけるようにしています。
「もっと改善できることはないか」
「もっと患者さんやスタッフのためにできることはないか」
「気抜けていないか?」
経営は、一度正解を見つけたら終わりではありません。
変化し続けるからこそ、学び続け、改善し続けることが大切なのだと思っています。

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