体の歴史をどうやって引き出すか|問診と触診をつなげる視点

今回は同業の方に向けた内容です。

「体の歴史を見る」と言っても、
じゃあそれをどうやって引き出すのか。

ここが難しいところだと思います。

目次

主訴はあくまで『現在の一番の困りごと』

まず大前提として、
患者さんの主訴というのは、
今この瞬間で一番困っている症状
です。

なので、
必ずしもそれが原因とは限りません。

まずはそこを見つつ、
周辺の状態も含めて全体を見ていきます。

最初に見るべきは「主訴+違和感のある場所」

例えば、
「左の腰が痛い」
と訴えがあったとします。

まずは当然、左腰を見ます。

・筋緊張はどれくらいか
・関節の動きはどうか
・負担のかかり方はどうか

ここまでは多くの方がやっています。

ここからが重要です。

それ以外で違和感がある場所はどこか
を必ず探します。

原因か結果かを見極める

例えば、
左の股関節の動きが悪いとします。

この時に考えるのは、
左腰が原因で股関節に制限が出ているのか
股関節が原因で腰に痛みが出ているのか

この2択です。

ここを見誤ると、
アプローチがずれていきます。

筋緊張の『質』で判断する

判断の一つの基準として、
筋緊張の入り方
があります。

ここで大事なのは、
表層ではなく深層を見ること
です。

腰が原因の場合

左腰が原因で股関節に影響が出ている場合、
股関節のアウターマッスル(外側)が
強く緊張しているケースが多いです。

これは、
腰をかばった結果の代償です。

股関節が原因の場合

逆に、
股関節が原因で腰に負担が出ている場合は、
殿筋のインナー側(深層)の緊張が強い
というパターンが見られます。

この違いは、かなり重要です。

さらに下を見て確信を取る

股関節由来が疑われた場合、
必ず足関節を見ます

多くの場合、
内反・外反の動きに制限が出ています。

特に、
外反しづらい
ケースが多いです。

ここまで来ると、
かなり確信度が上がります。

上からの影響も必ず確認する

次に見るのは胸郭です。

左腰が痛い場合、
左胸郭が拡大しているのか
狭小しているのか
を確認します。

胸郭が狭小している場合

左胸郭が狭小している場合、
体は左に傾いています。

つまり、
重心が左に乗り続けている状態
です。

その結果として、
左腰に負担が集中している。

こう考えられます。

構造を変えると負担は変わる

この場合、
左腰をどうにかするよりも、
胸郭の状態を変える方が合理的
です。

左胸郭を拡大させてあげることで、

重心が中央に戻る
左腰の負担が減る

という流れになります。

歴史は「流れ」で見えてくる

ここまでの流れをまとめると、

主訴を見る

周辺の違和感を拾う

原因か結果かを考える

上下(股関節・足関節・胸郭)を確認する

整合性を取る

この繰り返しです。

この流れを繰り返していくと、

今の痛みの一歩手前の状態

が見えてきます。

それが、体の歴史です。

最後に

体の歴史を引き出すというのは、
特別な問診テクニックだけではありません。

触って、考えて、また触る。

この繰り返しの中で、
情報をつなげていくことです。

今の状態だけで終わらず、
その一歩手前、そのさらに手前を考える。

この視点があるだけで、
見えるものは大きく変わります。

ここまで読んで、
何か引っかかるところがあった方へ。

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整体院・訪問マッサージ・鍼灸院などの現場で感じてきたことをもとに、
体の不調や症状について、
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