患者さんから時々こんなお話を伺います。
「昔ケガした場所なんですけど、最近また調子が悪いんです」
「何十年も前の骨折が関係することなんてありますか?」
実際のところ、昔のケガや手術が何年も経ってから体に影響しているケースは少なくありません。
今回は、その理由についてお話ししたいと思います。
ケガをすると体の使い方が変わる
まず一番イメージしやすいのは骨折です。
例えば右足を骨折したとします。
そうなるとギプスを巻いたり、松葉杖を使ったりしますよね。
当然ですが、その間は右足を十分に使うことができません。
すると左足でかばうようになります。
体重のかけ方も変わります。
歩き方も変わります。
姿勢も変わります。
つまり、ケガをきっかけに体の使い方そのものが変わってしまうんです。
そして、その使い方の癖が治った後も残ることがあります。
本人はすっかり忘れていても、体は覚えているんですね。
手術の影響が残ることもある
手術も同じです。
手術をすると皮膚や筋膜、筋肉などに傷ができます。
もちろん体は回復します。
ですが、完全に何もなかった状態に戻るわけではありません。
わずかな動きの制限や、組織の硬さが残ることがあります。
その影響が積み重なって、数年後に別の症状として現れることもあるんです。
むち打ちと神経系の影響
また、交通事故によるむち打ちも気になるところです。
首を強く痛めた経験がある方は少なくありません。
私自身の臨床経験の中でも、過去に交通事故や頭部外傷を経験している方を見かけることがあります。
特に首の周囲には脳と体をつなぐ重要な神経や組織が集まっています。
また、脳や脊髄の周囲には脳脊髄液というものが存在しています。
このあたりの影響については、まだ分かっていない部分も多くあります。
ですので断定はできません。
ただ、臨床の現場で多くの方を見ていると、過去のむち打ちや頭部への強い衝撃が、その後の体の状態と無関係ではないように感じることがあります。
これはあくまでも私個人の臨床上の印象です。
体の問題は手足だけではない
さらに、昔の影響というのはケガだけではありません。
例えば長年の食生活です。
甘いものを多く摂取する。
脂っこいものを好んで食べる。
そういった生活習慣の積み重ねが、数年後、数十年後の体に影響することがあります。
内臓は毎日働き続けています。
その負担が長く続けば、体全体にも影響が及びます。
人の体はそれぞれ独立しているわけではなく、全てがつながっています。
だからこそ、今出ている症状だけを見ていても、本当の原因は見えてこないことがあるんです。
最後に
昔のケガや手術が何年も経ってから影響する。
それは決して珍しいことではありません。
ケガによって変わった体の使い方。
手術による組織への影響。
神経系への負担。
そして長年積み重なった生活習慣。
こうしたものが少しずつ積み重なり、ある日症状として現れることがあります。
だからこそ体を見る時には、今の症状だけではなく、過去にどんな出来事があったのかという視点も大切なんですね。

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