体は常にバランスを取っている|代償動作という考え方

今回は少し施術者向けのお話になるかもしれません。

ただ、ご自身の体を知る上でも大切な考え方なので、ぜひ知っていただけたらと思います。

それが「代償動作」という考え方です。

目次

代償動作とは何か?

簡単に言うと、
「本来使いたい場所が使えないから、別の場所で補うこと」
です。

人の体というのは非常によくできています。

どこかに問題が起きても、何とかして目的を達成しようとします。

だからこそ、関節が動かなくなっても、別の場所を使って動こうとするんですね。

四十肩・五十肩でよく見られる例

わかりやすい例が四十肩・五十肩です。

腕を上げようとしても、途中から肩が動かなくなってしまう。

そうすると、人は無意識に別の方法を使います。
例えば顔を横に傾けたり、体を反対側へ倒したりします。

そうすることで、結果的に腕が上がったような状態を作るんです。
本人としては腕を上げたいだけなんですけどね。

でも肩が動かないので、首や体幹を使って補っているんです。

これが代償動作です。

目的は達成している

例えば右手で頭を触りたいとします。

本来であれば肩関節が十分に動けば簡単にできます。

ですが肩が上がらない。

すると今度は頭の方を下げます。

そうすると結果的に頭に触れますよね。

目的である「頭に触る」は達成されています。

ただし、動き方は正常ではありません。

このように、人の体は目的を達成することを優先します。

だから動作だけを見ると、一見できているように見えることもあるんです。

代償動作は体のあらゆる場所で起きている

肩だけではありません。

股関節が動かなければ腰で補う。
足首が硬ければ膝で補う。
胸郭が動かなければ首で補う。

こういったことは日常的に起きています。

しかも本人はほとんど気付いていません。
なぜなら、無意識で行われているからです。

だからこそ、長年の肩こりや腰痛、膝の痛みなどを考える時には、
「そこが悪いから痛い」
だけでは不十分なんですね。

もしかすると別の場所をかばい続けた結果、その場所に負担が集中しているのかもしれません。

施術者が見るべきポイント

施術者側は、目の前の動きをそのまま受け取ってはいけません。

その動きが本当にその関節だけで行われているのか。
それとも他の場所で補っているのか。

そこを見極める必要があります。

例えば肩関節の可動域検査一つ取っても、
肩が動いているのか。
肩甲骨が頑張っているのか。
首で補っているのか。
体幹で補っているのか。

見るポイントはたくさんあります。

だから関節の角度だけではなく、体全体を見ることが大切なんですね。

最後に

代償動作は決して悪いものではありません。

むしろ体が何とか日常生活を送るための工夫です。

ただ、その状態が長く続くと、本来負担がかからない場所にまで負担が集中してしまいます。

だから痛みや不調を考える時には、
「どこが痛いか」
だけでなく、

「どこをかばっているのか」
という視点も大切なんです。

人の体は常にバランスを取ろうとしています。

そのバランスの取り方を観察すると、今まで見えなかった原因が見えてくることがありますよ。

ここまで読んで、
何か引っかかるところがあった方へ。

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