自律神経って何?なぜ体調を崩すの?
「春や秋になると、なんだか体がだるい…」「急に頭痛や肩こりがひどくなる…」「気分まで落ち込んでしまう」
整体院に来院される方で、そんな季節の変わり目に不調を感じる方は少なくありません。
特に春と秋は、気温・湿度・気圧の変化が大きく、朝晩の寒暖差も激しいため、体にとってはとても負担のかかる季節です。
よく「それは自律神経の乱れですよ」と言われることがありますが、
「自律神経って何?」「どうしてそんなことで体調が崩れるの?」とピンとこない方も多いかと思います。
今回は、「季節の変わり目に不調が出やすい原因」と「自律神経の役割」について、なるべく分かりやすく解説していきます。
◆ 自律神経って何をしてるの?
私たちの体の中では、意識していなくても勝手に働いてくれている調整機能があります。
その代表が「自律神経」です。
例えば:
- 心臓が自然に動いている
- 食べた物を消化してくれている
- 汗をかいて体温を調節している
…これらはすべて自律神経が関わっている働きです。
◆ 体の自動調整システム=ホメオスタシス(恒常性)
季節が変わって気温が下がっても、体温が急に下がらないのはなぜでしょう?
湿度が急に下がっても、肌や粘膜が乾燥しすぎないよう保たれるのはなぜでしょう?
それは体が「環境の変化」に対応するために、自動でバランスを保つ仕組みを持っているからです。
これをホメオスタシス(恒常性)といいます。
このホメオスタシスを支える主役が、「自律神経」「免疫」「ホルモン」の3つ。
なかでも、環境変化への素早い対応に関わっているのが自律神経です。
◆ 自律神経には2つのモードがある
自律神経は、以下の2つの神経がバランスをとりながら働いています。
- 交感神経(活動・緊張モード):日中、運動中、ストレス時に優位になる
- 副交感神経(休息・回復モード):睡眠中、食後、リラックス時に優位になる
◆ 季節の変わり目、自律神経は大忙し!
春や秋のような気候の変化が大きい時期には、気温・湿度・気圧が目まぐるしく変わります。
例えば:
- 朝は寒いのに昼は暑い
- 湿度が高くて汗ばむかと思えば、急に乾燥する
- 台風や低気圧で空気の圧力が大きく変わる
このような『外の変化』に合わせて、体の中でもいろんな調整が行われます。
このとき中心となって働くのが自律神経です。
今回は分かりやすいよう、気温の変化が起こったときにどう働いてくれるかをお話します。
◆ 交感神経がしっかり働くとどうなる?
交感神経がうまく機能していると、以下のようなことが体内で起こります:
▶ 気温が下がると(寒いとき):
- 血管を収縮して熱を逃がさないようにする
- 筋肉を緊張させて体温を生み出す(ブルブル震えるのもその一つ)
- 心拍数が上がり、血流を強化
→ 寒さに耐えるための「防衛モード」に切り替わります。
▶ 気温が上がると(暑いとき):
- 汗をかいて体温を下げる
- 皮膚の血管を広げて熱を逃がす
- 呼吸数が増えて熱を放散
→ 体温を逃がし、熱中症を防ぐ調整が働きます。
◆ 副交感神経が働くとどうなる?
主にリラックス状態や夜の体内調整に関わりますが、気温の変化にも反応します。
▶ 気温が下がると:
- 胃腸の働きを高めて、体の内側から温める
- 眠気が出て、体を休めるように促す
- 筋肉をゆるめてリラックスさせる
→ 体を内側から整え、寒さで緊張した神経をリラックスさせてくれます。
▶ 気温が上がると:
- 消化機能が活発になりやすい
- 汗をかいた後のクールダウン(回復モード)を支える
- 暑さによる疲労からの回復を促す
→ 暑さで消耗した体を回復へ導きます。
交感神経でしっかり活動し、副交感神経でしっかり回復する。
この切り替えがスムーズな人ほど、季節の変わり目でも体調を崩しにくいのです。
◆ 自律神経が乱れるとどうなる?
自律神経が乱れると、以下のような症状が現れやすくなります:
- 朝起きられない
- 頭痛・めまい・肩こり
- 手足の冷え
- 突然の発汗や動悸
- 眠りが浅い、途中で目覚める
- 胃腸の不調
- 気分の落ち込み、イライラ
「なんとなく不調だけど、病院では異常なし」と言われる方は、自律神経の働きが弱っているかもしれません。
◆ 自律神経を整えるには?
以下のような習慣が、自律神経を整える助けになります:
- 朝、日光を浴びる
- 夜はスマホを控え、照明を落とす
- 深呼吸を習慣にする
- 軽いストレッチや運動
- 湯船にゆっくりつかる
- 温かい食事・飲み物を摂る
整体でも、自律神経を整えるサポートができます。
背骨や骨盤、内臓の動きにアプローチすることで、神経の通り道を整えていきます。
◆ まとめ
- 季節の変わり目に不調が出やすいのは「環境の変化」への対応力が低下しているから
- そのカギを握っているのが「自律神経」
- 交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズな人は崩れにくい
- 自律神経が整っていると、毎日が快適に過ごせる
今の不調を「気のせい」で済ませず、自律神経の状態を見直してみましょう。
ポイントは「交感神経でしっかり活動して、副交感神経でしっかり回復する」こと。
この切り替えがスムーズな人ほど、
気温差があっても体調を崩しにくく、日常のパフォーマンスや気分も安定します。


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