痛みが移動するのはなぜ?順番に起こる体のサイン

「右膝が痛かったのが良くなったと思ったら、今度は腰が痛くなった。」「最近は背中まで辛くなってきた。」
このように、痛みが移動するという経験をされた方は、実は少なくありません。

今回は、そんな「痛みの移動」や「体のあちこちに不調が出る理由」について、整体師の視点から解説します。

目次

◆ 痛みは突然ではなく、順番でやってくる

体のどこかに強い痛みを感じる前に、実は体は静かに、しかし確実にサインを出しています。
例えば、右膝が痛いとします。無意識に「右足に体重をかけるのを避ける」行動をとるようになりますよね?
上記のようにかばう動きのことを「逃避姿勢」と呼んでいます。

この時、右足をかばって左足や腰に負担がかかるため、今度は左膝や腰が痛くなる。
腰をかばえば背中や肩が…というように、体はかばい合いの連鎖を続けているのです。

一見すると「どんどん悪くなってる」と感じるかもしれませんが、
実はこれは「体がなんとかバランスを取ろうとして頑張っている」証拠でもあります。

◆ 私たち整体師が見る「痛みの順番」

私たちは、痛みの出ている場所そのものだけでなく、「どの順番で痛みが出てきたのか」という流れを大切にしています。

先ほどの例なら:

右膝が痛い→かばう為に重心を変えたことで、左膝が痛い→さらにかばって、腰が痛い→背中が痛い

という流れになります。

つまり、「背中」は一番新しい症状、「右膝」は一番古い不調。
この順番は、あなたの体がどうやって不調をかばいながら生きてきたかという『あなたの体の歴史』そのものです。

◆ 改善は「新しい痛み」から

整体の現場では、一番最近に出た不調から順に整えていくのが基本です。

迷路みたいなものなんです。
スタートから入って行って、奥に行くほど痛みが生じる。
それなら順に道を戻りましょう。
スタートの時には元気だったんだから。

だから、「膝が最初に痛かった」としても、
その後に出た腰や背中の痛みを整えていかないと、膝の負担は結局戻ってきてしまいます。

◆ 「痛みが消えた=原因が消えた」ではない

そして、ここが一番大事なポイントですが、
「痛みがなくなったから治った」とは限りません。

先ほどのように、最初に現れた右膝の痛みが消えたとしても、
右膝が痛くなった原因が残っている可能性があるのです。

実際、症状が出ていないだけで、関節の動きに左右差があったり、筋肉の緊張が残っていることは珍しくありません。

◆ 通い続けるべき?それはあなたの価値観次第

よくある質問に、

「もう痛みがないので、通わなくても大丈夫ですよね?」

というものがあります。

答えはこうです:

それはあなたの価値観にお任せします。

なぜなら、
「とにかく今の痛みさえ取れればOK」
という方もいれば、

「将来の健康のために、体を整えておきたい」
という方もいらっしゃるからです。

私たち整体師としての願いは、
あなたが毎日元気に仕事をして、快適に家事をこなし、家族と穏やかな時間を過ごしてほしいということです。

そう考えると、症状がなくなっても、
体の歪みや使い方のクセを整えておくことは、将来の安心に繋がるのです。

でももちろん、

「痛くないなら通う必要はない」という考え方も、尊重されるべき価値観です。

私たちは、そのどちらを選んでもいいと思っています。
大切なのは、「あなたらしく過ごすこと」です。

◆ 最後に:痛みは終わりではなく、合図

痛みは、体からのメッセージです。

それは、「どこかが壊れたよ」という警告ではなく、
「ちょっと無理しすぎてるよ」「そろそろ整えてあげてね」という体の声

そして、その声は、順番に、少しずつ形を変えて現れてきます。

今、痛みが移動しているなら、
それは「体が頑張ってきた証拠」であり、
そして「今こそ整えるタイミング」なのかもしれません。

整体という選択肢が、あなたの体の歴史に『いい変化』をもたらせたら嬉しいです。

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