呼吸と連動性から読み解く体の痛み|整体的な視点

呼吸するたびに、体は動いている
──連動性から見る痛みの正体──

私たちは、何も考えずに呼吸をしています。
でも実はその呼吸のたびに、体のあちこちが連動して動いていること、ご存じでしょうか?

目次

息を吸うとき、体では何が起きている?

例えば「息を吸う」動作ひとつをとっても、次のような動きが自然と起こっています。

  • 肋骨が持ち上がる
  • 背骨が伸びて起き上がる
  • 胸郭(肋骨まわりの“カゴ状”の骨格)が広がる

これがさらに全身に波及します。

  • 背骨が動けば → 骨盤の角度が変わる
  • 骨盤が変われば → 股関節の位置が変わる
  • 股関節が変われば → 膝や足首も変化する

このように、一つの動きが次々に他の関節へと伝わっていくことを、整体では「連動性」と呼びます。

痛みは、連動性が止まった『サイン』

ところが、何らかの理由で痛みがあるとき、体はその部分をかばおうとします。
痛みを感じると、体は無意識に「そこを動かしたくない」と判断し、力を入れて守ろうとするのです。

炎症がある場合、動かすことで悪化することを体は知っているため、自然と防御反応として筋肉が緊張します。
すると、本来の連動がストップし、他の部位に無理がかかり始めます。
「動かしたくない」部位は動かさず、他の部位がいつも以上に動いて動きを補うのです。(代償動作)

痛みは『悪者』ではない。体の『限界点』

多くの人が、「痛い場所=悪い場所」と思いがちです。
でも、整体の視点では少し違います。

痛みは、体の歪みの『結果』として現れているだけ。
それはまるで、歪んだバランスの帳尻合わせを続けた結果、「もうこれ以上は無理です…」と体がSOSを出しているようなものです。

歪んで、体は自然とバランスを整えて、
また歪んで、また整えて…。
この繰り返しの先に、限界を超えた箇所が『痛み』という形で現れるのです。

痛みの『本当の原因』を見つけるには?

だからこそ、痛いところだけを揉んだり、ストレッチしたりしても根本の原因は取り除けません。
たとえ一時的に楽になっても、時間が経てばまた同じ場所か、あるいは別の場所に痛みが出ることも少なくありません。

重要なのは、体全体を見ること。

  • どこが動いていないのか?
  • どの関節の連動が途切れていたのか?
  • なぜその部分にだけ負担が集中したのか?

この視点で体を見ていくことで、本当に整えるべき場所=原因が見えてきます。

まとめ|痛みは「結果」であって「原因」ではない

あなたの体は、ずっと頑張ってバランスを取り続けています。
そして、そのバランス調整の限界に来たときに痛みが出る。

だからこそ、ただ痛みだけを見るのではなく、
「なぜそこに痛みが出たのか?」という『背景』を紐解いていくことが、本当の意味でのケアになります。

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