内臓の位置はみんな同じ?前かがみ姿勢と歪みの本当の原因

街中でカートを押して歩く、背中の丸いおばあちゃんを見かけたことはありませんか?
その姿と、すっと背筋の伸びた若い方の姿勢。
今日はこの「姿勢の違い」と「内臓の位置」の関係について、少し逆説的な視点からお話しします。

目次

内臓の位置は、本当にみんな同じなのか?

まず、ひとつ質問です。

前かがみのおばあちゃんと、若くて姿勢の良い人の内臓の位置。
同じだと思いますか?

教科書には「人間の内臓はここにあります」という図が載っています。
もちろん、基本的な配置は共通していますが、私は多くの身体を触れさせていただく中で、

「教科書どおりの位置に、誰の内臓もピタッと収まっているわけではない」 と感じることがとても多いです。

その理由を、建物の例えを使いながらお伝えしていきます。

建物で考えると分かりやすい「姿勢と内臓の関係」

あなたの家と、大きな地震で歪んでしまった家を想像してみてください。

外から見ても傾いている家の中の柱やフレームは、どうなっているでしょうか?

  • まっすぐ立っているでしょうか?
  • 本来の位置からズレていないでしょうか?

感覚的に分かると思いますが、歪んだ家の中では、

  • 柱が傾く
  • フレームがたわむ
  • 建物の内部構造が本来の位置からズレる

といったことが起こります。

では、もう一度最初の問いに戻ります。

前かがみのおばあちゃんと、姿勢の良い人の内臓の位置。
本当に同じでしょうか?

骨格(フレーム)が大きく歪んでいるのに、
中に収まっている内臓(柱)だけが教科書どおりの位置から一切ズレていない、という方が不自然です。

左に傾いている人、右に傾いている人——内臓の位置は同じ?

整体や整骨院などで、

  • 「左に体重が乗りやすいですね」
  • 「右に体が傾いていますね」

と言われた経験のある方も多いと思います。

これも建物で例えると分かりやすいです。

家が左に傾いていたら、中の家具はどうなるでしょうか?
何もしていなくても、少しずつ左側に寄っていきますよね。

人間の体も同じで、

骨格(フレーム)が傾けば、内臓も重力に従ってどちらかに寄るのが自然です。

人の体の60%は水分です。傾いている方に水分は移動 していきます。

この視点を持つだけでも、
「姿勢が悪い=筋肉だけの問題」ではないことが、少しイメージしやすくなると思います。

なぜ、おばあちゃんは背筋を伸ばせないのか?

ここで、もう一つの素朴な疑問が出てきます。

街中で見かける、カートを押しながら前かがみで歩くおばあちゃん。
「あのおばあちゃんは、なぜ背筋を伸ばせないのか?」という疑問です。

一般的には、こう説明されることが多いです。

  • 「筋力が落ちてしまっているから」
  • 「加齢で背筋の力が弱くなったから」

ですが、私は少し違う見方をしています。

なぜなら、背中を支える抗重力筋は、
私たちが座っていても立っていても、毎日ずっと使われている筋肉だからです。

毎日起きている時間は働き続けている筋肉が、
「弱くなる」というのは、正直イメージしづらいのです。

「筋力が足りない」のではなく「下に引っ張られている」

ここで視点を変えてみます。

例えば、腸が全体的に下がっている状態を想像してください。
これは、お腹の前で重い荷物を常に持っているような状態です。

重い荷物を抱えたまま、背筋をピンと伸ばすのは大変ですよね。
腸や他の内臓が下に落ちていると、背中の筋肉はその分、常に引っ張られ続けます。

そう考えると、

「筋力が足りないから伸ばせない」のではなく、
「下に引っ張られる力が強すぎて、伸ばせない」
と考える方が、臨床の現場では辻褄が合うことが多いのです。

背中の丸いおばあちゃんは、
単に「鍛えれば伸びる背中」ではなく、

  • 内臓の位置や重さのバランス
  • 長年の姿勢のクセ
  • 深層筋の緊張パターン

といった、体の中からの影響を強く受けていると考えた方が自然です。

内臓の位置が変わると、姿勢も変わる

では、原因はどちらが先なのでしょうか。

  • 内臓の位置が変わるから姿勢が歪むのか?
  • 姿勢が歪むから内臓の位置が変わるのか?

これはどちらも起こります。

ストレス、食生活、睡眠、冷え、体質など、
さまざまな要因が重なり合って、

  • 内臓の負担が増える
  • それを守るために深層筋が硬くなる
  • 結果として姿勢が歪む

という流れになる方もいれば、
ケガ、手術、事故などにより体がダメージを受けたことで

  • 姿勢の崩れが先に起こる
  • その影響で内臓の位置や血流が変わる
  • 内臓に負担がかかり、さらに筋肉が固まる

というルートを辿る方もいます。

どちらにせよ共通しているのは、

「姿勢」と「内臓」は別々の存在ではなく、
常にセットで影響し合っている
ということです。

健康こそ一番の財産——内側のサインに気付いてあげる

姿勢が悪くなる。
肩や腰がこる。
体が重い、疲れが抜けない。

こういったサインは、
単に「外側の筋肉だけの問題」ではなく、

「内臓の位置」や「内臓の仕事量」が限界に近づいているサイン
であることも少なくありません。

あなたの体は、あなたが思っている以上に、
中で一生懸命バランスを取ろうとしています。

健康こそ、一番の財産です。
姿勢や痛みの悩みがあるときこそ、

「骨格」だけでなく「内臓は今どんな状態なんだろう?」 と、一度内側にも意識を向けてあげてみてください。

それが、あなたの体を本当の意味で大切にする、
最初の一歩になると私は考えています。

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