なぜ内臓は姿勢を歪ませるのか?
『姿勢は結果であり、内臓はきっかけ』 という話
私たちはつい「姿勢が悪いから痛みが出る」と考えてしまいがちです。
たとえば、「猫背だから肩がこる」「反り腰だから腰が痛い」といったように。
もちろんそれも一理ありますが、私は日々施術を通じてたくさんの身体に触れる中で、
「姿勢が崩れるもっと奥の原因がある」と感じるようになりました。
それが、内臓の状態です。
■ 「内臓って、なぜ姿勢に影響するの?」
こう疑問に思われる方も多いかもしれませんね。
ですが、答えはシンプルです。
内臓は『状態』が変わるんです。
そしてその変化に対して、体は無意識にバランスを取ろうとして、姿勢が変わってしまうのです。
この一連の流れが、姿勢の歪みのはじまりなんです。
■ 1. 内臓は「袋の中に液体が入っている」構造
人体の水分量は60%と、半分以上を占めています。赤ちゃんだと80%も占めているのです。
胃や腸、肝臓、腎臓などの内臓は、
風船や水袋のように、柔らかい膜の中に血液やリンパ液、消化液などが満ちています。
この中の液体は、寝ていても常に流れ続けています。
その流れが変わると、膜の外にある組織にも「力」が伝わります。
それが少しずつ、3年5年10年20年と長い時間をかけて周りの筋肉や骨格に影響し、やがて姿勢にも現れてくるのです。
■ 2. 内臓が疲れると、『中の流れ』が乱れてくる
ストレス、食べすぎ・飲みすぎ、冷え、睡眠不足…
こうした日常のちょっとした積み重ねで、内臓はすぐに疲れてしまいます。
例えば、経験としてありそうなのは、食後です。食後は胃や腸などの消化器官が活発に働きます。そのため、体は多くの血液を消化器に集める必要があり、脳への血流が一時的に減少した結果、ぼーっとなってしまいます。仕事の午後のスタート時に経験ありませんか?(笑)
すると、
- 動きが鈍くなる
- 中の流れが不安定になる
- 内部にかかる圧力が変わる
といったことが起こり、それがやがて姿勢にも影響を及ぼしてしまうのです。
■ 3. 内臓の不調を体が「守ろう」として姿勢が変わる(内臓体性反射)
内臓にはあまり「痛み」を感じるセンサーがありません。
だから、内臓にトラブルがあっても私たちは気付きにくいのです。
その代わりに、体はこう反応します。
内臓の異常 → 深い筋肉や膜が緊張 → 姿勢が歪む
これを「内臓体性反射」と呼びます。
具体的には…
- 胃が疲れていると → みぞおちが固くなり、左肩が前に出る
- 肝臓が疲れていると → 右の肋骨の動きが悪くなり、五十肩になる
- 腎臓に負担があると → 腰の反りが強くなる
- 腸の調子が悪いと → 骨盤の傾きが変わる
■ 4. 深い筋肉の緊張が続くと、姿勢は『固定』されてしまう
深部筋(インナーマッスル)は、日常的に無意識で働き、姿勢を支えてくれている筋肉です。
この筋肉に過剰な緊張が続くと、
- 骨が少しずつ引っ張られる
- その傾いた状態で体が『クセ』として覚えてしまう
- 表面の筋肉(アウターマッスル)が代わりに頑張る
- 結果として、痛み・重だるさが出てくる
つまり、
内臓の変化 → 深部筋の反応 → 姿勢の歪み → 痛み・不調
■ 5. 姿勢だけを整えても、戻ってしまう理由
「整体に行って、良くなったけどすぐ戻る」
「ストレッチをしても、数日でまた姿勢が崩れる」
そんな経験、ありませんか?
それは、『姿勢を歪ませている内臓の状態』が変わっていないからです。
イメージしやすいことで言えば、
大きな地震で傾いた家を修理するとき、外壁だけをキレイにしても、
家の中の柱や基礎がゆがんだままでは、またすぐに問題が起きてしまいます。
姿勢のケアも同じで、『表面だけ整える』のではなく、
『体の中の土台(=内臓)から整える』ことが本当に大切なのです。
私は施術の際に、表面の筋肉だけを見るのではなく、
- どの内臓がストレスを受けているのか?
- 各内臓の関係性はどうなっているか?
- 普段の生活や仕事で何が体に負担をかけているのか?
まで含めて見ていきます。
これが、私が目指す「根本治療」です。
■ まとめ|姿勢を整えるには、内臓のケアも大切です
最後にもう一度、ポイントをまとめておきます。
- 姿勢が歪むきっかけは、内臓の疲れや不調から始まることがある
- 内臓を守ろうとして、体の深部が反応し、姿勢が変わる
- 姿勢だけを整えても、内臓の状態が変わっていなければ元に戻りやすい
- 本当に必要なのは「内側から整える」こと
「姿勢を整える」ということは、筋肉だけでなく、
身体全体の働きやバランスを整えるということ。
これが、私が日々の施術のなかで大切にしている視点です。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!


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